研究課題/領域番号 |
18KK0021
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研究種目 |
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(B))
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分3:歴史学、考古学、博物館学およびその関連分野
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研究機関 | 独立行政法人国立文化財機構奈良文化財研究所 |
研究代表者 |
国武 貞克 独立行政法人国立文化財機構奈良文化財研究所, その他部局等, 主任研究員 (50511721)
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研究分担者 |
佐藤 宏之 東京大学, 大学院人文社会系研究科(文学部), 特任研究員 (50292743)
夏木 大吾 東京大学, 大学院人文社会系研究科(文学部), 特任助教 (60756485)
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研究期間 (年度) |
2018-10-09 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
18,200千円 (直接経費: 14,000千円、間接経費: 4,200千円)
2022年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2021年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2020年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2019年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2018年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
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キーワード | カザフスタン / 後期旧石器時代前期 / 大型石刃 / 小石刃 / ユーラシア大陸 / ホモサピエンス / 発掘調査 / 年代測定 / 初期後期旧石器時代 / 斜軸尖頭器 / 香坂山遺跡 / 初期後期旧石器時代(IUP) / 後期旧石器時代前期(EUP) / チョーカン・バリハノフ遺跡 / ビリョックバスタウ・ブラック遺跡 / 石刃 / IUP期 / EUP期 / 石刃石器群 / クズルアウス2遺跡 / ビリョックバスタウ・ブラック1遺跡 / 後期旧石器時代前期(EUP期) / 小石刃核 / 地床炉 / 中型石刃核 / 放射性炭素年代測定 / 多層遺跡 / 中央アジア / 後期旧石器時代 / 北回り拡散ルート / 遺跡踏査 / 新規発見遺跡 / 分布調査 |
研究実績の概要 |
令和5年度は2018年と2019年にカザフスタン南部のカラタウ山地東麓で発掘調査を実施した後期旧石器時代前期の層位的な遺跡であるビリョックバスタウ・ブラック遺跡の発掘調査成果について、科学分析と技術組成の分析を実施した。とりわけ2019年に湧水点の上の高台に設定したトレンチで検出した炉跡とそれに接して原位置をほぼとどめた石器集中部について、使用痕の分析や木炭による年代測定分析、石器製作技術の分析を行った。その結果、石器組成と技術組成は中石器時代の細石刃石器群に似るが、年代から旧石器時代末期と判明し、中央アジア西部において、類例のない石器群と判明した。また2018年と2019年に湧水点の周囲のトレンチで検出していた層位的な出土事例と比較し、上層の細石刃石器群と対応することが判明した。そのため、湧水点の周囲で下層文化層とした後期旧石器時代前期(EUP期)の小石刃石器群は、高台においてもさらに下層に包含されていることが推測された。これらの成果を2023年12月にカザフスタンのアスタナで実施された国際シンポジウム「ユーラシア旧石器の諸問題」において口頭発表した。来年度論文化する予定である。 このほかに国際協力強化のために、連携研究機関であるカザフスタン国立博物館のZh.Taimagambetov教授の2024年3月の来日に合わせて、東京大学と奈良文化財研究所において、同教授による講演会「カザフスタンにおける初期後期旧石器時代(IUP期)遺跡の新発見」を企画実施し、その通訳と解説を行った。また同じ目的のために、カザフスタン共和国マルグラン記念国立考古学研究所のT.Mamirov副所長の2023年12月の来日に合わせて、奈良文化財研究所において同副所長による講演会「カザフスタン共和国における最近の石器時代研究」を企画実施し、その通訳と解説を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
令和5年度は以前に発掘調査を実施して、その内容について詳しく分析を行っていなかった新資料について、様々な分析を行う予定であったが、その目標に向かって予定通りの分析を実施し、十分な成果を得ることが出来た。このためおおむね順調に進展していると評価できる。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、これまでに発掘調査を実施して得られた新資料の論文化を進める予定である。とりわけ2019年に発掘調査を実施した天山山脈北麓のクズルアウス2遺跡の資料整理と技術分析、およびそれらを取りまとめた論文化が優先的な課題となる。そのうえで、チョーカン・バリハノフ遺跡、ビリョックバスタウ・ブラック遺跡の発掘調査成果と総合して、ユーラシア北回りの現生人類の移動ルートについての総括的なまとめを行う予定である。
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