研究課題/領域番号 |
18KK0079
|
研究種目 |
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(B))
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分14:プラズマ学およびその関連分野
|
研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
荒巻 光利 日本大学, 生産工学部, 教授 (50335072)
|
研究分担者 |
吉村 信次 核融合科学研究所, ヘリカル研究部, 准教授 (50311204)
寺坂 健一郎 九州大学, 総合理工学研究院, 助教 (50597127)
矢澤 翔大 日本大学, 生産工学部, 講師 (10737951)
小林 弘和 高知工科大学, システム工学群, 准教授 (60622446)
戸田 泰則 北海道大学, 工学研究院, 教授 (00313106)
鹿野 豊 群馬大学, 大学院理工学府, 准教授 (80634691)
|
研究期間 (年度) |
2018-10-09 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
17,940千円 (直接経費: 13,800千円、間接経費: 4,140千円)
2022年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2021年度: 6,110千円 (直接経費: 4,700千円、間接経費: 1,410千円)
2020年度: 5,200千円 (直接経費: 4,000千円、間接経費: 1,200千円)
2019年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2018年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
|
キーワード | 光渦 / 吸収分光法 / プラズマ分光 / レーザー誘起蛍光法 / プラズマプロセス / ドップラー分光 / 磁性体薄膜 |
研究実績の概要 |
本研究は,光渦分光法をプロセスプラズマに適用することでプラズマの制御性を格段に向上させ,そのプラズマ源を材料開発に応用することを目的としている.ドイツ・ルール大学との共同研究では,容量結合プラズマ(CCP)と基板の境界であるシース内における,イオン流速の測定を目的としている.CCPは広くプラズマプロセスで用いられており,シース内で基板に垂直方向に加速されたイオンのエネルギーは,膜質を左右する重要なパラメータである.本研究では,基板に平行な方向から入射した光渦によって,基板に垂直な方向のイオン流速を測定することを目指している. この国際共同研究のために,光渦吸収分光法および光渦レーザー誘起蛍光(LIF)法の測定系を開発している.2022年度は,光渦吸収分光法によるビームを横切る流れ測定に関する数値計算を行い,論文として発表した.(H.MINAGAWA,et al.,Analysis of Azimuthal Doppler Shift of Anisotropically Absorbed Laguerre-Gaussian Beam Propagating in Transverse Flow, Plasma and Fusion Research, 1401099 (2022).)この数値解析の結果に基づき,高次の光渦を光源とする波長可変ダイオードレーザー吸収分光(TDLAS)測定を行い,方位角ドップラーシフトを用いた横方向流れ測定に成功している.また,受光系をカメラから4分割フォトダイオードに変更することで,より簡便かつリアルタイム性のある測定系へと改良を進めている.一方,光渦LIF測定に関しては,光源を非対称光渦へと変更することで飛躍的な感度向上が見込まれることが理論的に示され,測定系の改良を進めている.
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2020年度より,ドイツ・ルール大学での光渦分光測定実験の開始を計画していたが,新型コロナウイルスの感染拡大の影響により現地での実験は延期となっている.一方で,移動制限中に個別に開発を進めていた測定系はほぼ開発が完了あるいは完了の目途がつくところまで到達している.また,2022年度からは国内の共同研究者間では対面での打合せを再開しており,今後の研究計画等の議論を進めている. 2022年度は光渦吸収分光法の数値解析および測定の高精度化に進展があった.実験系では,光渦の生成に用いるホログラムの最適化等によるモード純度の向上,高次の光渦の利用,ビームスポットの揺らぎ低減等の改善を行った.これにより,方位角ドップラーシフトの空間分布を用いて, 50m/sから150m/sの横方向流速を7%程度の誤差範囲で観測できることを実験的に示した.光渦LIFに関しては,通常の光渦を用いると横方向流れの効果はドップラースペクトルの広がりとしてしか観測できないため評価が難しいという問題があったが,非対称光渦を用いることでスペクトル中心のシフトとして観測できることを理論的に示した。これにより,格段に測定精度を向上させた光渦LIF測定系の構築と予備実験を進めている.これらの成果について,国内外の学会で講演および査読付きの論文として発表した.
|
今後の研究の推進方策 |
コロナ禍の影響で,ドイツ・ルール大学およびデンマーク工科大学での実験が実施できていない.2023年度は,ほぼコロナ禍の影響を受けないと仮定して,海外共同研究先との対面での議論を再開する予定である.一方で,輸送コスト等の上昇を鑑み,測定系を移設しての実験は,本課題終了後に実施する可能性が高いと考えられる. 光渦吸収分光に関しては横方向流れ計測に成功している.2023年度は,共同研究先への移設を容易にするため,システムの簡便化に関する開発を進める.光渦LIF分光システムに関しては,非対称光渦を光源とする測定系の開発を進める.
|