研究課題/領域番号 |
18KK0080
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研究種目 |
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(B))
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分14:プラズマ学およびその関連分野
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研究機関 | 核融合科学研究所 |
研究代表者 |
永岡 賢一 核融合科学研究所, ヘリカル研究部, 教授 (20353443)
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研究分担者 |
宮本 賢治 鳴門教育大学, 大学院学校教育研究科, 教授 (00532996)
木崎 雅志 核融合科学研究所, ヘリカル研究部, 助教 (70598945)
高橋 和貴 東北大学, 工学研究科, 准教授 (80451491)
中野 治久 核融合科学研究所, ヘリカル研究部, 准教授 (90442524)
神尾 修治 核融合科学研究所, ヘリカル研究部, 助教 (80705525)
波場 泰昭 日本大学, 生産工学部, 助手 (60908789)
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研究期間 (年度) |
2018-10-09 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2021年度)
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配分額 *注記 |
17,680千円 (直接経費: 13,600千円、間接経費: 4,080千円)
2022年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2021年度: 4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2020年度: 4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2019年度: 4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2018年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 負イオンビーム集束性 / 負イオンプラズマメニスカス / 高周波電磁場 / 負イオンビーム / 負イオン源 / ビーム集束性 / RFプラズマ / ビーム引き出し界面 / 準定常負イオン源 / ビーム光学 / 粒子ダイナミクス / 負イオンビーム引き出し界面 / 負イオンビーム界面 / ビーム光学安定性 |
研究実績の概要 |
高性能負イオンビームの開発研究は、磁場閉じ込め核融合研究や大型加速器実験の進展を支える重要な基盤技術として、大電力化、定常化が進められてきた。本研究は、間近に迫る国際熱核融合実験炉(ITER)計画を進めるうえで、急務の課題となっているビーム光学設計の最適化のための課題解決を目指している。マックスプランク研(ドイツ)で試験が開始されているITER用高周波負イオン源に、日本(核融合研)で開発されているビーム引出領域の負イオン挙動計測と負イオンビーム引出界面の密度分布計測を実施する予定であったが、COVID-19により予定を変更し核融合科学研究所のNBI-TSを使って、ITER用負イオン源の高周波を模擬する実験を実施した。直流アーク放電で主プラズマを生成し、ビーム引き出し界面近傍に対して、ビーム発散角に最も影響を及ぼすことが予想されるビーム軸方向に高周波電場をかけるアンテナを開発し、摂動的に高周波電磁場を印加することにより、ビームの集束性に与える影響を評価した。その結果、負イオンビーム引き出し領域の高周波電磁場は、負イオンビームの集束性に影響を与えることが分かった。さらに、パービアンス最適化条件(ビームが集束性が最もよくなる電流と引き出し電圧の関係)では、高周波電磁場の影響を抑制できる可能性が示された。また、ビーム引き出し領域のプラズマでは、ビーム不安定性がビーム集束性を劣化させる可能性が理論的に示されたが、実験的には問題ないことがわかった。この結果については、イオン源国際会議(ICIS2021)で報告し、論文誌に発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
COVID-19により予定を変更し核融合科学研究所のNBI-TSを使って、ITER用負イオン源の高周波を模擬する実験を実施している。模擬実験により初期的な成果は上がっているものの、本格的な高周波負イオン源を導入した実験の立ち上げが遅れている。これもCOVID-19による上海のロックダウンにより、高周波負イオン源の高周波回路部品の調達が遅れていることが原因である。これまでの実験の解析と論文化、及び実験観測に基づくビーム軌道計算による負イオン引き出し界面(メニスカス)のモデル開発等を先行して進めている状況である。
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今後の研究の推進方策 |
核融合科学研究所のNBTSで実施予定の高周波負イオン源のビーム引き出し実験の立ち上げが遅れているため、これまでの実験の解析と論文化、及び実験観測に基づくビーム軌道計算による負イオン引き出し界面(メニスカス)のモデル開発等を先行して進め、論文化していく。 また、現状実施可能な実験の中で、負イオン生成過程が異なる負イオン源の運転によるビーム位相空間構造の評価などの実験を進めることにより、負イオン源プラズマ内の負イオン挙動とビーム位相空間構造の対応を明らかにする実験に取り組む。これにより負イオン源のビーム引き出し過程の物理モデル検証が可能になる。 最後になる可能性があるが、高周波負イオン源からのビーム引き出し実験とその集束特性の検証実験は、必ず実施し本研究計画を完遂することを目指す。
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