研究課題/領域番号 |
18KK0094
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研究種目 |
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(B))
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分17:地球惑星科学およびその関連分野
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
狩野 彰宏 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 教授 (60231263)
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研究分担者 |
高島 千鶴 佐賀大学, 教育学部, 准教授 (10568348)
白石 史人 広島大学, 先進理工系科学研究科(理), 准教授 (30626908)
古山 精史朗 東京海洋大学, 学術研究院, 助教 (60760527)
奥村 知世 高知大学, 海洋コア総合研究センター, 准教授 (90750000)
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研究期間 (年度) |
2018-10-09 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,940千円 (直接経費: 13,800千円、間接経費: 4,140千円)
2021年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2020年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2019年度: 8,320千円 (直接経費: 6,400千円、間接経費: 1,920千円)
2018年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
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キーワード | 全球凍結 / 動物進化 / 炭素同位体 / バイオマーカー / 新原生代 / 海綿動物 / 古海洋 / 古土壌 / ストロマトライト / 海水組成 / エディアカラ紀 / 化学層序 / 安定同位体 / 気候変動 |
研究実績の概要 |
今年度は中国に2回,オーストラリアに1回の調査を行い,エディアカラ紀およびクライオジェニア紀の層序セクションの岩相観察と試料採集を行った。 中国貴州省東部の銅仁市近郊のエディアカラ系では藻類および海綿化石を含む頁岩を詳細に調査するとともに,この頁岩が炭素同位体のShuram異常の上部に対比できることを見出した。貴州省従江県ではクライオジェニア紀前半のスターチアン氷期にできた氷河堆積物を調査し,氷河性礫岩の中に炭酸塩堆積物を見出した。約6000万年間続いた氷河期の期間中に炭酸塩岩が堆積したとすると,氷河期の中断があった可能性もあり,従来の全球凍結に関する見方が大きく変わることになる。湖南省湘潭市のクライオジェニア紀中期の堆積岩ではMnに富む頁岩を調査し,バイオマーカーの分析を行った。その結果,緑藻類と硫黄細菌由来の成分が卓越することがわかり,スターチアン氷期の終了後に透光帯が貧酸素の条件になったことが判明した。貧酸素の条件で海水中のマンガンイオンが増加するという関係は現在の黒海と同様の条件であったと考えられる。 南オーストラリア州では,フリンダーズレンジに分布するクライオジェニア紀中期の堆積岩セクションを調査した。このセクションでは海綿化石の破片と思われる粒子を多数含む炭酸塩岩が見出された。採集した試料の分析結果はこの層準は炭素同位体のTrezona異常に対比されることを示す。仮にこの時期に海綿動物が進化したとすると,海水中に滞留した有機炭素が分解され炭素同位体比が低下したと考えることができる。今後はバイオマーカーを分析して海綿動物の有無を検討する予定である。 今年度の成果の一部は論文と学会発表で公表することもできた。今後は大量に採集した試料の分析を進め,新原生代後期の全球凍結に関連した動物進化についての理解を深めていく予定である。
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