研究課題/領域番号 |
18KK0150
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研究種目 |
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(B))
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分32:物理化学、機能物性化学およびその関連分野
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
吉村 一良 京都大学, 理学研究科, 教授 (70191640)
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研究分担者 |
那波 和宏 東北大学, 多元物質科学研究所, 助教 (10723215)
小林 慎太郎 公益財団法人高輝度光科学研究センター, 回折・散乱推進室, テニュアトラック研究員 (10771892)
太田 寛人 同志社大学, 理工学部, 准教授 (60546985)
道岡 千城 京都大学, 理学研究科, 助教 (70378595)
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研究期間 (年度) |
2018-10-09 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
18,200千円 (直接経費: 14,000千円、間接経費: 4,200千円)
2022年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2021年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2020年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2019年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2018年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
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キーワード | 遍歴物性 / 磁性 / 超伝導 / フラストレーション効果 / 遷移金属化合物 / 遍歴電子磁性 / トポロジカル電子系 / エキゾチック超伝導 / 二次元磁性体 / フラストレート系 / スピン液体状態 / クラスター磁性体 / スピンゼーベック効果 / 遍歴電子物性 |
研究実績の概要 |
新たな量子物性を生み出す新物質の創成は,固体物性物理化学の基礎・応用研究の両分野の発展に大きな貢献をもたらし,この研究分野のブレイクスルーへと繋がるものである.本研究では,海外と日本の研究者が協力し,フラストレート効果と低次元性,さらに構造相転移との組み合わせによって,興味ある遍歴電子物性を示す新規の遍歴電子遷移金属物質群を探索・合成し,その新規遍歴電子物性についてのマクロ及びミクロの両面から明らかにし,その実験結果を解析しフィードバックして,固体物性化学的な基盤を確立することを目的としている. これまでの研究で中国・香港中文大学のSwee K. Goh博士と中国・浙江大学のMinghu Fang(方 明虎)教授と強結合超伝導体A3T4Sn13系(A=Ca, Sr, La; T=Co, Rh, Ir)について,超伝導の発現機構について明らかにする研究を行った.その結果,超伝導転移温度と光学フォノンのソフトニングに強い相関の詳細を明らかにしている.今年度は,これらの物質のバンド構造をDFT計算から明らかにし,トポロジカル電子系に特徴的な振舞が現れる,磁場中電気抵抗を用いた詳細な相図の研究を行った.またウイーン工科大学のMichor博士との共同研究で遍歴電子系RCo9(R=希土類金属),1-2-2系の遍歴電子強磁性系・エキゾチック超伝導系であるB(Fe-Co)2Se2 (B=K, Tl, Rb, Cs, Ca, Sr, Ba, La)系について新たな物質系を開拓し,単結晶育成と物性解明を行った.またCo-Fe固溶系Ca2(FexCo12-x)P7について詳細な物性研究を行い、X=0.25に秩序相があることを見出し、エキゾチックな磁気相図を提示した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究は5年計画をもってはじめられた5年目を終えた.概要に記したように1,2年目に準備した国際共同研究が結実しはじめ,更なる発展が期待される.本来期待された成果に至っていないのは,Ballou博士と那波博士,小林博士が協力して行う,中性子回折と磁気構造の対称性からの考察であり,この理由は完全に収まらなかったCOVIDによる海外渡航の難しさによる. 中国・香港中文大学のSwee K. Goh博士と中国・浙江大学のMinghu Fang(方 明虎)教授との共同研究は概ね順調であり,研究を論文にまとめる段階にある.フランス・CERNのRafik Ballou教授と共同で研究を進めているスピンフラストレーションを有するカゴメ格子フッ化物については日本でいくつかの新物質を発見し,基礎物性を明らかにした.これらについて研究機関を延長して磁気構造の詳細を中性子回折から明らかにする予定である. これらの共同研究の際,物質探索・合成は主として,Fang教授,Michor教授,太田博士,吉村が行い,構造解析を小林博士,那波博士,Ballou博士が担当している.小林博士は主としてX線および中性子線回折実験に基づく構造解析を担当し,那波博士・Ballou博士は中性子を用いた磁性評価を主として行っている。NMRを用いたミクロな物性評価研究は,主として道岡博士と吉村が行っている. 上記のように海外での実験の一部の計画は延期されているが,インターネットを通じた綿密な情報やり取りによりカバーしていて,5年計画全体の90%程度の達成率になった.のこり10%に関しては国内では吉村,道岡のみ研究期間を延長して,研究を完遂する予定である.
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今後の研究の推進方策 |
延長した研究期間において,海外の研究者を招聘し,また吉村,道岡が香港,オーストリアに渡航し,足りない実験を行い,研究成果をまとめる予定である. 本研究において,全ての共同研究者が有機的に繋がり,共同研究していくことの利点をいかして,強力に国際共同研究を推進してきた.最終的にはこれらを総括し,新たな国際協力研究に発展させることを目指す.
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