研究課題/領域番号 |
18KK0166
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研究種目 |
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(B))
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分38:農芸化学およびその関連分野
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研究機関 | 明治大学 |
研究代表者 |
石丸 喜朗 明治大学, 農学部, 専任教授 (10451840)
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研究分担者 |
戸田 安香 明治大学, 農学部, 特任講師 (10802978)
三坂 巧 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 准教授 (40373196)
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研究期間 (年度) |
2018-10-09 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
18,070千円 (直接経費: 13,900千円、間接経費: 4,170千円)
2020年度: 4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2019年度: 4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2018年度: 8,970千円 (直接経費: 6,900千円、間接経費: 2,070千円)
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キーワード | 味覚受容体 / GPCR / 食性 / 鳥類 |
研究成果の概要 |
文献調査の結果、鳥類最大の種数を誇るスズメ亜目に属する鳥類(鳴禽類)では、花蜜以外を主食とする鳥類も食糧源として花蜜を多く利用していた。鳴禽類の旨味受容体の機能を解析したところ、花蜜食のメジロキバネミツスイに加え、メジロ(雑食)、ヒヨドリ(果実食)、カナリア(穀物食)など多様な食性の鳥類の旨味受容体が糖に応答した。祖先型の旨味受容体を復元して機能を調べた結果、鳴禽類の共通祖先がハチドリとは異なる分子機構で糖受容能を獲得していた。さらに、キツツキ科鳥類の祖先においても旨味受容体の糖受容能獲得が生じていた。以上より、旨味受容体の機能転換が食性の多様化を後押しし鳥類の繁栄に貢献したことが分かった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまで当国際共同研究グループが行ったハチドリに関する研究により、味覚受容体の機能が動物の食性に応じて柔軟に変化してきた例が初めて示された。一方で、ハチドリが唯一の特異な例であるのか、あるいは、様々な鳥類において味覚受容体が機能を変化させながら食性の多様化に適応してきたのかは明らかでなかった。本研究により、ハチドリのみでなく複数の鳥類系統でそれぞれ独立に旨味受容体が糖受容能を獲得してきたことが明らかになった。本研究成果により、おいしさを感じる感覚が動物の食性を決定づける上で重要な役割を果たすことが示された。
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