研究課題/領域番号 |
18KK0212
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研究種目 |
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(B))
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分46:神経科学およびその関連分野
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
見学 美根子 京都大学, 高等研究院, 教授 (10303801)
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研究分担者 |
宇都 甲一郎 国立研究開発法人物質・材料研究機構, 機能性材料研究拠点, 独立研究者 (30597034)
中澤 直高 京都大学, 高等研究院, 特定助教 (90800780)
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研究期間 (年度) |
2018-10-09 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
18,070千円 (直接経費: 13,900千円、間接経費: 4,170千円)
2021年度: 4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2020年度: 5,330千円 (直接経費: 4,100千円、間接経費: 1,230千円)
2019年度: 5,460千円 (直接経費: 4,200千円、間接経費: 1,260千円)
2018年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
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キーワード | メカノバイオロジー / マイクロファブリケーション / ニューロン移動 / 神経発生 / 細胞骨格 / ライブイメージング |
研究成果の概要 |
哺乳類脳の皮質形成過程で、神経組織間隙の最適経路を選んで遊走する新生ニューロンは、組織の物理的環境を読み取り、細胞骨格流動を調節する力発生機構を実装していると考えられる。本研究では微小加工技術を駆使して力学的なミクロ環境を操作できる培養空間を設計し、小脳ニューロンが組織間隙を遊走する運動制御機構を解析した。細胞の微細構造や応力分布の動的変化の高解像ライブ観察と薬理・分子操作実験により、隘路侵入による細胞膜張力の上昇で機械受容チャネルPiezo1が活性化してカルシウムが流入し、PKC-Ezrin経路を介してミオシンが後方細胞膜で収縮し、ニューロンを後方から押す力を生じることを証明した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまでニューロン遊走は細胞種により異なる細胞機構で制御されると考えられてきたが、本研究でニューロンが細胞外の物理環境を読み取り、複数の分子経路のうち最適な力発生機構を動員することが明らかになった。この発見はニューロン遊走機構の概念を変えるもので、ニューロン遊走の異常を伴う先天的脳奇形や精神神経疾患の病因解明に繋がる可能性もある。また本研究で開発したマイクロ加工デバイスは、様々な遊走性細胞における物性制御の解析にも応用でき、脳発生・変性過程の多くの問題に新しいパラダイムと方法論を提供するものである。
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