研究課題/領域番号 |
18KK0234
|
研究種目 |
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(B))
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分50:腫瘍学およびその関連分野
|
研究機関 | 京都大学 (2019-2021) 北海道大学 (2018) |
研究代表者 |
田守 洋一郎 京都大学, 医学研究科, 准教授 (10717325)
|
研究分担者 |
石原 誠一郎 北海道大学, 先端生命科学研究院, 助教 (10719933)
昆 俊亮 東京理科大学, 研究推進機構生命医科学研究所, 講師 (70506641)
|
研究期間 (年度) |
2018-10-09 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
17,940千円 (直接経費: 13,800千円、間接経費: 4,140千円)
2021年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2020年度: 5,330千円 (直接経費: 4,100千円、間接経費: 1,230千円)
2019年度: 5,330千円 (直接経費: 4,100千円、間接経費: 1,230千円)
2018年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
|
キーワード | 腫瘍形成 / 上皮組織 / 細胞増殖 / 組織構造 / 腫瘍浸潤 / 平面内細胞極性 / ショウジョウバエ / 浸潤性 |
研究成果の概要 |
ショウジョウバエの上皮組織(翅原基)をモデルとした実験で、がん原性変異細胞が、同上皮組織内に点在する微小環境(浸潤ホットスポット)において基底膜を破り間質への浸潤行動を始めることを発見した。流体解析を応用したTCPDプログラム(本研究で開発した組織内構造的特異点を予測するプログラム)による解析の結果、組織内の特異点(鞍点・吸引点)として検出される場所がこれらの浸潤ホットスポットと一致することが明らかとなった。これは、がん細胞の間質への浸潤は、上皮組織に内在する特異的構造から始まるという新しい考え方を示すものであり、同様の現象が起こっている可能性をマウスの上皮組織でも観察した。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
がん細胞の上皮層から間質への浸潤は、内在的に他とは異なる組織構造を持つ微小環境(浸潤ホットスポット)から始まることを発見した。このような現象は今までに報告されておらず、この研究成果は腫瘍悪性化プロセスの基本理解に新しい視点を提供するものとなる。また、流体解析を応用したTCPDプログラム(組織内の構造的特異点を予測するプログラム)を用いて、ショウジョウバエの上皮組織において浸潤ホットスポットが検出できることを示した。生体組織の顕微鏡画像から腫瘍の浸潤が始まる場所を予測できるこのようなプログラムはこれまでにないものであり、将来的には全く新しい予防的な病理診断法の開発につながることが期待される。
|