研究課題/領域番号 |
18KK0256
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研究種目 |
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(B))
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分56:生体機能および感覚に関する外科学およびその関連分野
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
荒木 慶彦 順天堂大学, 医学(系)研究科(研究院), 先任准教授 (70250933)
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研究分担者 |
小倉 淳郎 国立研究開発法人理化学研究所, バイオリソース研究センター, 室長 (20194524)
眞貝 洋一 国立研究開発法人理化学研究所, 開拓研究本部, 主任研究員 (20211972)
藤原 浩 金沢大学, 医学系, 教授 (30252456)
鏡 京介 金沢大学, 附属病院, 助教 (80748616)
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研究期間 (年度) |
2018-10-09 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2019年度)
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配分額 *注記 |
17,940千円 (直接経費: 13,800千円、間接経費: 4,140千円)
2020年度: 6,890千円 (直接経費: 5,300千円、間接経費: 1,590千円)
2019年度: 7,280千円 (直接経費: 5,600千円、間接経費: 1,680千円)
2018年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
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キーワード | 卵管 / 受精 / 着床 / 初期胚発育 / ゴールデン・ハムスター / Ovgp1 / 遺伝子欠損ハムスター / CRISPR-Cas9システム |
研究実績の概要 |
哺乳類の受精および初期発生は、胃内腔などと同様に、生体にとって特殊な「体外」である卵管内腔で行われる。その特殊な場に於いて発育した初期胚は、胚盤胞とよばれる状態になった後、子宮膜に着床(生体内に潜り込み)し、妊娠が成立する。全能性を持つ幹細胞(胚)の発生を浮遊状態のまま液性因子により厳密に制御している卵管の微小環境の研究は細胞生物学的には極めて重要である。一般に幹細胞はニッチと呼ばれる特定の場に接着して増殖・分化の調節を受ける一方で、循環系などにも種々の幹細胞が存在するが、これら浮遊状態の幹細胞に対する調節機構は不明な点が多い。 そこで本研究では我々のこれまでの卵管の胚発生に対する生理的作用の研究成果をさらに展開し、浮遊状態における幹細胞の機能・分化を調節する液性因子(群)の同定、及びその機構解明を最終目標に本研究を計画した。哺乳類の中で、ハムスター胚は体外培養が難しく、卵管は胚の生理的環境維持に必須と考えられる。そこでまず卵管特異的な液性因子であるOvgp1の遺伝子改変ハムスターを作製し、同分子の卵管微小環境における生殖過程への影響を評価した。その結果、予想どおりこの物質を欠損したハムスターは完全不妊となった。これまでの予備的研究結果から考察すると、この分子は受精そのものに対する影響よりむしろ、究極の幹細胞である受精卵/初期胚発生に対する重要な分化調節因子であることを強く示唆する実験結果を得た。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
Ovgp1欠損ハムスターはマウスモデルと異なりin vivoにおける妊孕性がないことが明らかになった。現在、更なる解析をするため動物個体数の量産体制を構築しており、順調に今後の分子機構・細胞生物学的解析が進むと思われる。
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今後の研究の推進方策 |
今後はハムスター・マウスのOvgp1欠損モデルの表現型の違いを比較検討し、それらを基盤にした卵管の微小環境の分子機構をより明確に解明できるよう研究を進める。
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