研究課題/領域番号 |
18KK0308
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研究種目 |
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(A))
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
知覚情報処理
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
手塚 太郎 筑波大学, システム情報系, 教授 (40423016)
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研究期間 (年度) |
2019 – 2022
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
15,470千円 (直接経費: 11,900千円、間接経費: 3,570千円)
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キーワード | 運動制御 / 小脳 / スパイク系列 / MUA / 神経科学 / スパース符号化 / 符号化 / 運動 / 辞書学習 / 機械学習 |
研究開始時の研究の概要 |
脳における神経活動から得られる信号を解析するプログラムを実装させるため、機械学習と信号処理に基づく新たなデータ解析手法の開発を行う。具体的にはカーネル法(ガウス過程)によって非線形に拡張されたスパース符号化と辞書学習を用いてテンプレートとなる信号を見つけ出し、運動野における神経活動において符号化がどのように行われているかを明らかにする。
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研究成果の概要 |
マカクザルの脳に高周波の深部刺激を行うことで、小脳から大脳への情報伝達を遮断することが共同研究者の研究によって実現されている。前頭葉の活動が正常時と遮断時の間でどのように変化するかの比較を目的として、研究代表者は次元圧縮手法を用いた解析ツールの実装を行った。具体的には多チャネル同時記録から得られるスパイク系列等に対し、PCAやTDR (targeted dimension reduction)、jPCA等を用い、射影された軌跡がどのように変化するかを比較した。これにより、脳深部刺激は前頭葉における集団的活動を変化させるだけでなく、軌跡の次元や自律性、決定性にも影響を与えることを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
前頭葉と小脳の連携は人間や動物が滑らかな運動を行う際に重要な役割を果たしている。そのメカニズムを解明することは小脳疾患の治療に繋がりうる他、前頭葉における運動信号の理解はBMI(brain machine interface)を通した運動支援システムの開発に貢献しうる。小脳は古典的には運動時の誤差信号を受け取り、教師あり学習を行う役割が想定されてきた。しかし近年、小脳が時系列パターンの生成器であるというモデルも提唱されており、活発な議論が続いている。小脳-大脳経路の可逆的な遮断を行い、神経集団のダイナミクスを調べる本研究はその議論に対して重要な情報を提供しうる。
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