研究課題/領域番号 |
18KK0318
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研究種目 |
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(A))
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
環境政策・環境社会システム
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研究機関 | 名古屋大学 (2023) 北海道大学 (2018-2022) |
研究代表者 |
三上 直之 名古屋大学, 環境学研究科, 教授 (00422014)
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研究期間 (年度) |
2019 – 2023
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
15,470千円 (直接経費: 11,900千円、間接経費: 3,570千円)
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キーワード | 気候市民会議 / ミニ・パブリックス / 市民参加 / 気候変動対策 / 脱炭素社会 / 民主主義のイノベーション / 気候民主主義 / 英国 / 気候変動 / 民主主義 / 合意形成 |
研究開始時の研究の概要 |
気候変動・エネルギーの問題をめぐって現在日本が抱える課題に早くから直面し、多種多様な市民参加の方法が試みられてきた英国を対象として国際比較研究を行い、脱炭素社会への長期的な移行と、民主主義の革新・深化とを統合的に実現するための理論的枠組みと実践手法を探求する。無作為抽出型の市民参加の方法(ミニ・パブリックス)にとくに焦点を当て、英国において実際に参加者を集め、脱炭素社会への転換をテーマとしたミニ・パブリックスの社会実験を実施するとともに、英国内における市民参加の事例を幅広く収集し分析する。帰国後には、国際共同研究による日英比較研究の成果をふまえた国際ワークショップを行う。
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研究成果の概要 |
英国を始めとする欧州における「気候市民会議」の動向を調査するとともに、その知見を踏まえて、日本でも全国に先駆けて気候市民会議を試行して、日本における実践の可能性を具体的に例示した。これらの研究を踏まえて、欧州における気候市民会議の広がりの背景に、脱炭素社会への転換と、より参加型で熟議的な意思決定システムに向けた民主主義のイノベーションとを同時に追求しようとする「気候民主主義」の潮流があることや、日本の自治体で始まりつつある気候市民会議の導入にも、同様のトレンドの潮流の萌芽があることを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、気候変動対策をめぐって欧州で急速に拡大した気候市民会議に着目し、その拡大の意味を、市民参加や熟議民主主義、ミニ・パブリックスに関する既存の研究も踏まえつつ、代表制民主主義の機能不全の問題と絡めて論じた。気候市民会議の拡大の背景に、脱炭素社会への転換と民主主義のイノベーションとを同時に目指す「気候民主主義」という潮流が存在することを指摘したことが、本研究の最大の学術的貢献である。研究成果の社会的インパクトとしては、欧州での動向に関する知見を生かして、関連の基盤研究と連動する形で国内で初めて気候市民会議を試行して実践例を提示し、これがその後の国内各地での気候市民会議の実践につながった。
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