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脱炭素社会への転換と民主主義の革新・深化との統合的実現に関する国際比較研究

研究課題

研究課題/領域番号 18KK0318
研究種目

国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(A))

配分区分基金
研究分野 環境政策・環境社会システム
研究機関北海道大学

研究代表者

三上 直之  北海道大学, 高等教育推進機構, 准教授 (00422014)

研究期間 (年度) 2019 – 2021
研究課題ステータス 交付 (2019年度)
配分額 *注記
15,470千円 (直接経費: 11,900千円、間接経費: 3,570千円)
キーワード気候市民会議 / 英国 / 民主主義 / 気候変動対策 / 市民参加 / 合意形成 / ミニ・パブリックス / 気候変動
研究開始時の研究の概要

気候変動・エネルギーの問題をめぐって現在日本が抱える課題に早くから直面し、多種多様な市民参加の方法が試みられてきた英国を対象として国際比較研究を行い、脱炭素社会への長期的な移行と、民主主義の革新・深化とを統合的に実現するための理論的枠組みと実践手法を探求する。無作為抽出型の市民参加の方法(ミニ・パブリックス)にとくに焦点を当て、英国において実際に参加者を集め、脱炭素社会への転換をテーマとしたミニ・パブリックスの社会実験を実施するとともに、英国内における市民参加の事例を幅広く収集し分析する。帰国後には、国際共同研究による日英比較研究の成果をふまえた国際ワークショップを行う。

研究実績の概要

英国渡航に向け,渡航先機関であるニューカッスル大学との調整を進め,同大学に客員研究員として21年3月まで1年間滞在する準備を整えた。その一方,気候変動対策をめぐる状況が,本研究を企画した2018年夏以降,欧州を中心に大きく様変わりしてきたことを受けて,主な海外共同研究者(ニューカッスル大学 人文社会科学部 Senior LecturerのStephen Elstub博士)とも密接に連絡をとり,研究内容の再検討,調整を進めた。
本研究開始直後の2019年6月,英国では2050年までに温室効果ガスの実質排出をゼロとする目標が法制化され,議会下院の主催で,脱炭素化の方策を議論するための無作為抽出型の気候市民会議が2020年1月から始まった。また,英国各地の自治体で気候非常事態が宣言され,地域版の気候市民会議が市・区レベルで実施される動きも出てきている。2019年には若者の「気候ストライキ」を始めとする市民の行動も活発さを増したが,気候市民会議の相次ぐ実施はこうした動向からも影響を受けている。
以上は,本研究課題の目的に直接関係する重要な展開であることから,渡航に先がけて情報収集と初期的な分析を進め,成果の一部を学術誌等で発表した。また共同研究者との協議の結果,申請時に想定していた市民陪審の模擬的な実施ではなく,実際の気候市民会議の参与観察を,渡航後の主な研究内容とすることを決めた。
当初,2020年4月の渡航を目指して準備を進めていたが,英国でも新型コロナウイルスの感染が急速に拡大し,3月中旬には渡航先機関が大学閉鎖の状態に陥り,日本の外務省による英国の感染症危険情報も「レベル2(不要不急の渡航は止めてください)」へ引き上げられる事態に至った(3月末には「レベル3(渡航中止勧告)」に引き上げ)。この状況に鑑みて,当初予定していた渡航の延期を決めた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

2020年3月前半までの進捗状況は順調であり,4月からの渡航に向けてほぼ準備が整っていたところ,3月中頃になって,渡航先における新型コロナウイルスの感染拡大の影響により渡航を延期せざるをえなくなったものである。これまでに行うべき研究内容は着実に実施してきているものの,不可抗力により,本研究課題の主たる活動となるべき渡航先研究機関への渡航の目処が立たない状況にあることから,やや遅れている状態にあると判断した。

今後の研究の推進方策

研究を極力止めない,ということを今後の基本的な方針としたい。新型コロナウイルス感染症による緊急事態は,英国を含めた欧州でも,気候変動対策を議論する前提に大きな影響を与えるものであると考えられ,この状況の中で,すでに着手ないしは計画されている気候市民会議などが,プロセス,議論内容の両面で,いかなる経過をたどるのかは,それ自体が,本研究の重要な対象だと言える。まずは,2020年4月から渡航先において行う予定であった気候市民会議などの事例調査を,文献調査や,ウェブ会議システム等を用いたオンラインインタビュー調査などを最大限活用し,できる範囲で進めていく。
2020年4月現在,具体的な時期の見通しは立っていないが,当面,2020年10月頃を仮の渡航時期として想定し,渡航に備えた態勢づくりを継続する。同時に,英国における新型コロナウイルスの感染状況について,公的機関の発表や現地からの報道,共同研究者からの情報などをもとに最新状況をつねに把握し,これに基づいて,現実に渡航可能なタイミングの見極めに努める。

報告書

(1件)
  • 2019 実施状況報告書

研究成果

(4件)

すべて 2020 2019

すべて 雑誌論文 学会発表 図書

  • [雑誌論文] 気候政策に関する市民会議:その背景と意義2019

    • 著者名/発表者名
      三上直之
    • 雑誌名

      計画行政

      巻: 42(4) ページ: 21-26

    • 関連する報告書
      2019 実施状況報告書
  • [学会発表] いかにして社会的議論を組織するか?妊娠中絶を議論したアイルランドの市民会議を参考に2019

    • 著者名/発表者名
      三上直之
    • 学会等名
      2019年度科学技術社会論学会シンポジウム「生殖細胞および受精卵のゲノム編集と私たちの未来」
    • 関連する報告書
      2019 実施状況報告書
  • [図書] 科学技術社会論の挑戦 第2巻 科学技術と社会:具体的課題群(藤垣裕子,小林傳司,塚原修一,平田光司,中島秀人編,「テクノロジーアセスメント」を分担執筆)2020

    • 著者名/発表者名
      三上直之
    • 出版者
      東京大学出版会
    • ISBN
      9784130643122
    • 関連する報告書
      2019 実施状況報告書
  • [図書] Handbook of Democratic Innovation and Governance (Stephen Elstub and Oliver Escobar (eds.), "Trends in democratic innovation in Asia" を分担執筆)2019

    • 著者名/発表者名
      Naoyuki Mikami
    • 総ページ数
      624
    • 出版者
      Edward Elgar
    • ISBN
      9781786433855
    • 関連する報告書
      2019 実施状況報告書

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公開日: 2019-02-06   更新日: 2021-01-27  

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