研究課題/領域番号 |
18KK0325
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研究種目 |
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(A))
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分01020:中国哲学、印度哲学および仏教学関連
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研究機関 | 広島大学 (2022-2023) 東京大学 (2020-2021) 東北大学 (2018-2019) |
研究代表者 |
尾園 絢一 広島大学, 人間社会科学研究科(文), 准教授 (90613662)
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研究期間 (年度) |
2019 – 2024
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
8,840千円 (直接経費: 6,800千円、間接経費: 2,040千円)
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キーワード | 重複現在語幹 / 作為(factitive) / ヴェーダ / 印欧語 / 重複 / 古インドアーリヤ語 / インド・ヨーロッパ語比較言語学 / 語根重複 / アオリスト語幹 / インド・イラン語派 / 重複現在現在語幹 / アスペクト / 話法形 / 重複現在語幹動詞 |
研究開始時の研究の概要 |
現在進めている基課題の用例調査の結果を基に、イェーナ大学キュンメル教授と連携しながら、古インドアーリヤ語重複現在語幹の機能の解明に取り組む。重複現在、重複アオリスト、完了等の重複語幹を照合し、アヴェスタ語、ギリシア語等の重複現在語幹とも比較しながら、古インドアーリヤ語(特にヴェーダ語)の重複現在語幹が本来持っていた機能を解明することを目指す。
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研究実績の概要 |
pipar-, piprc- 等のiで重複する現在語幹の機能の解明に向けて、ヴェーダ語の用例を調査した。iで重複する語幹の中、作為を表示するもの(iyarti「動かす」,jigharti「滴らせる」,piparti「満たす」等)とそれ以外(動作など、例えばjigaati「行く」,bibharti「担う」など)に分けて分析を行った。当初予想していたように、iの機能については、現在語幹のみを対象とした調査では、明らかにすることが難しく、重複アオリストなどの他の重複カテゴリーとも比較し、またイラン、ギリシアの重複現在語幹も考慮に入れつつ、調査を進めていく予定である。pipartiについては、前年度から鼻音挿入型現在prnaati「満たす」と比較しつつ調査を行っており、成果を論文集に寄稿した。この論文集は本報告者とイェーナ大学研究者が編集に携わっている。印欧語における重複に関する7本の論文を収録しており、2024年夏に刊行予定である。論文集にて公開された知見を活用しながら、重複の機能の考察を引き続き進めていく。また重複の仕方と関連して、ヴェーダ語の気息音形ヴァリアントに関する問題を基課題において扱い論文を発表したが、同論文を再検討し、その結果を2023年9月ドイツのケルン大学で開催されたArbeitstagung der Indogermanischen Gesellschaftにて発表した。発表の内容を論文にまとめ国際誌に投稿する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
論文集の刊行は若干遅れているものの、iで重複する現在語幹の調査は概ね進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
a(PIE *e)で重複する現在語幹とi又はu(PIE *i)で重複する現在語幹の機能について考察した結果をまとめ、速やかに公開することを目指す。
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