研究課題/領域番号 |
18KK0332
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研究種目 |
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(A))
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
ヨーロッパ文学
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
三田 順 北里大学, 一般教育部, 准教授 (20723670)
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研究期間 (年度) |
2019 – 2023
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
9,490千円 (直接経費: 7,300千円、間接経費: 2,190千円)
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キーワード | スロヴェニア文学 / 越境性 / 境界性 / ドラーゴ・ヤンチャル / マーリボル / スレチュコ・コソヴェル / スロヴェニア / 越境 / カルスト / イストリア / コソヴェル / 境界 / 幻想 / ベルギー / マーテルランク / ツァンカル / 境界地域 / 中欧 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究課題「現代スロヴェニア文学における越境性の研究」では、多言語多文化地域であるスロヴェニアの現代文学を考察対象とし、ドイツ語圏、イタリア語圏、セルビア・クロアチア語圏との境界地域の文化と歴史を背景とする作家達の自伝的作品におけるアイデンティティーの問題、およびスロヴェニア性の表象を分析することで現代スロヴェニア文学に通底する詩学を浮かび上がらせることを試みる。
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研究成果の概要 |
新型感染症の世界的流行によって、当初の予定からの大幅な変更、遅延を余儀なくされたが、移住体験のもたらす文化的、言語的ノマド性、二重ないし複数のアイデンティティーを始めとする現代スロヴェニア文学における多様な越境のあり様の一端を明らかにすることができた。また、本研究課題を通じてスロヴェニア研究のネットワークを広げる機会を得たことに加え、スロヴェニア文学の翻訳を一点発表した他に長編の翻訳に着手することができたことで、日本におけるスロヴェニア研究の足がかりを一定程度作ることができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は日本において未開拓の研究分野であったスロヴェニア文学研究の先駆的な取り組みに位置づけられる。スロヴェニアにおいてもスロヴェニア文学を「越境性」、「多文化的」視点から捉え直す試みは始まったばかりであり、研究成果をスロヴェニア語、英語で発信することにより、学術的な貢献という意味での意義があったと言える。また、移民という形での越境の増加、多文化社会への移行は現代日本社会が直面している社会的テーマであり、これらがよりダイナミックに生じているスロヴェニアの例を通じて日本社会が学べることは少なくない。
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