研究課題
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(A))
日本中世古文書学の知見を国際発信し、国際的な学術交流を進めた。第1に、ドイツ中世史を専門とするJan-Hendryk de Boer氏、Marcel Bubert氏に招待を受け、デュースブルク=エッセン大学およびミュンスター大学で日欧比較(それぞれ「妥協」と「危機における専門家」)をテーマにした国際ワークショップで日本中世における和解(和与)に関する研究報告を行った。報告内容はドイツで刊行される論集に寄稿予定であり、ドイツ語圏に対する日本の日本中世史研究の成果発信となる予定である。第2に、史学会大会西洋史部会シンポジウム「中世後期の教皇と文書」で日本中世史の立場からコメントをし、書簡および文書保管の観点から議論を交わし、有益な示唆を得た。第3に、2021年度のケンブリッジ大学滞在中の知見をまとめた「ケンブリッジ日本学見聞録」およびThomas D. Conlan氏の英文著作に対する書評を『海外の日本中世史研究』に寄稿した。海外における日本史研究の状況を日本国内で共有するのに寄与する仕事となる。さらに昨年度の引きつづき、東京大学史料編纂所のグロッサリー(日本史用語の外国語訳のDB)再公開に向けた準備に協力した。第4に、中国の古文書学者を読者として想定して研究動向論文「日本中世古文書学の発展と課題」の『档案学通訊』(中国人民大学)掲載が決定した。また、日本語で既発表の研究動向論文の中国語訳を進めている。第5に、中世古文書学・法制史に関する実証研究を進め、単著1冊(『御成敗式目』)、共編著2冊(『摂関・院政期研究を読みなおす』『御成敗式目ハンドブック 』)を刊行した。第6に朝河貫一生誕150周年記念シンポジウム「戦争に向かう世界:1930年代と朝河貫一」の企画運営にあたり、比較封建制論の先駆者だった朝河貫一が現実の国際政治の中でどのように活動したのかを問うた。
2: おおむね順調に進展している
2021年度の渡航中の成果物が刊行されるとともに、パンデミックの緩和によって渡航して国際ワークショップで報告する機会も得られた。
①共同研究者や大学院生たちと進めている日本中世史史料英訳プロジェクトを今後もZOOMなどを利用して進め、雑誌論文ないし論集の刊行を目指す。日本史史料の英訳を通して、日本語に熟達した日本研究者以外の学者に広く日本史研究の魅力と成果を発信し、日本中世史をめぐる学術的な意見交換や議論の活性化を目指す。②法制史・古文書学に関する日本と西欧・東アジアとの比較史や学術交流の促進を目指し、国際学会への参加やワークショップの開催を目指す。
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古文書研究
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