研究課題/領域番号 |
18KK0343
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研究種目 |
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(A))
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
経済史
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
高槻 泰郎 神戸大学, 経済経営研究所, 准教授 (70583798)
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研究期間 (年度) |
2019 – 2022
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
15,340千円 (直接経費: 11,800千円、間接経費: 3,540千円)
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キーワード | 経済史 / 比較制度分析 / 徳川日本 / 清朝中国 / 金融史 / 公共財 / 比較史 / 近世史 |
研究成果の概要 |
本研究課題では、清朝中国と江戸時代日本における公共投資の実態を比較することを課題に掲げ、そのための準備作業として、まずは江戸時代日本の公共投資を支えた諸大名の経済力を把握することに努めた。 その結果、江戸幕府の公共土木事業を大名に請け負わせる御手伝普請が減少へと転じたアヘン戦争、ならびに東日本を中心に甚大な被害をもたらした天保の飢饉を重要な契機として、諸大名間に経済格差が生まれたことが、天保飢饉時の日射量データ(農業生産への打撃についての比較)、大坂金融市場における利子率データ(諸大名の資本コスト比較)、長崎での武器・艦船購入データ(諸大名の経済力比較)などから明らかになった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
近世日本における公共投資が、諸大名の経済負担によって成り立っていたことは知られていたが、大名の経済力が何によって支えられていたのか、また公共投資が減退するアヘン戦争以後、大名財政にどのような変化が生じたのかについては、十分に解明されてこなかった。 本研究プロジェクトにより、大規模土木工事を割り当てられた外様の大大名(いわゆる西南雄藩)は、大坂の商人と深い関係性を構築し、比較的低利な借入を実現していたこと、また天保飢饉の被害を東北・関東諸国ほどには受けなかったことから、幕末に向けて資金を蓄えていたことが明らかにされつつある。このことは、幕末維新研究にも新たな分析視角を提供するものである。
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