研究課題/領域番号 |
18KK0348
|
研究種目 |
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(A))
|
配分区分 | 基金 |
研究分野 |
経済政策
|
研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
清田 耕造 慶應義塾大学, 産業研究所(三田), 教授 (10306863)
|
研究期間 (年度) |
2019 – 2021
|
研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
14,170千円 (直接経費: 10,900千円、間接経費: 3,270千円)
|
キーワード | 構造グラビティ・モデル / 中間財 / 最終財 / 通商摩擦 / 国際貿易 / グラビティ・モデル / 構造グラビティモデル |
研究成果の概要 |
近年,米中の貿易摩擦の拡大に伴い,経済のグローバル化の負の側面が注目を浴びているが,これまでの研究の多くは最終財の貿易を前提としており,最終財と中間財の違いは必ずしも考慮されていなかった.本研究は,国際経済学の主要なモデルの一つである構造グラビティ・モデルを利用し,国際貿易の要因を最終財貿易と中間財貿易の違いに注目して分析した.分析の結果,グラビティ・モデルは最終財貿易だけでなく中間財貿易についても説明力を持つことが明らかになった.この結果は,グラビティ・モデルを生産者の利潤最大化から導出することができるとする理論モデルを支持するものであり,グラビティ・モデルの有用性を確認するものである.
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
近年,最終財の貿易だけでなく中間財の貿易も拡大していることを踏まえると,最終財の貿易のみを前提とした経済モデルでは,国際貿易の要因や影響を見誤ってしまう可能性がある.例えば,Autor, Dorn, and Hanson (2013)は中国からの輸入の拡大が国内雇用にマイナスの影響を及ぼすと主張している.しかし,中国からの中間財の輸入の拡大はむしろ最終財を生産する国内企業にとってはプラスとなる.このため,最終財と中間財の違いを考慮しなければ,中国からの輸入の影響を誤解してしまう可能性がある.最終財と中間財の違いに注目した本研究は,貿易の要因や影響を理解していく上で意義があると考えられる.
|