研究課題/領域番号 |
18KK0353
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研究種目 |
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(A))
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
政治学
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研究機関 | 同志社大学 |
研究代表者 |
鈴木 絢女 同志社大学, 法学部, 教授 (60610227)
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研究期間 (年度) |
2019 – 2023
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
11,960千円 (直接経費: 9,200千円、間接経費: 2,760千円)
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キーワード | 財政 / マレーシア政治 / フィリピン政治 / コロナ / マレーシア / フィリピン / 行政・立法府関係 / ポークバレル / 行政・立法関係 / 連合形成 / アカウンタビリティ / 民主主義 / 財政政策 / 東南アジア |
研究開始時の研究の概要 |
財政が、広く国民のために使われる条件は何か。また、収入と支出のバランスが取れた健全な財政は、どのようにして可能になるのか。 本研究は、マレーシアとフィリピンの事例研究から、これらの問いに答える。 まず、予算文書の分析から、大統領や首相、国会議員の個別利益に資する支出がかさみ、財政の健全性が損なわれる傾向があることを指摘する。そのうえで、行政の長と議員の間の政治的取引が、財政が本来もつ公共性や持続性を損なっていることを明らかにする。 研究成果は学術論文や著書としてまとめるだけでなく、ウェブサイトでわかりやすく公表するとともにNGOや記者にも共有し、アカウンタビリティ促進の契機となるようつとめる。
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研究実績の概要 |
昨年度までに収集した財政データを利用して、財政をめぐる国内政治と外交政策とのリンクをひもとく論文(鈴木(2023年))を出版した。本論文は、財政資源を利用した政府系投資機関のミスマネージメントや資金流用が国内での政治的争点となり、さらに損失の補填のために外国の政府機関が資金を提供する場合に、外交政策選択の自由度が、資金を提供する外国の意図によって狭められることを明らかにした。 また、同論文とSuzuki (2023) は、外交分野の論文であるものの、植民地期から独立期にかけて作られた自己イメージや国家のあり方が再生産される傾向にあることを指摘しており、植民地の遺制という観点で、本研究課題にとって意義のある成果となった。また、海外の共同研究者による共著論文(Dulay, Menon, Hichken and Holmes, 202; Dulay, Menon, Hicken and Holmes 2022) では、フィリピンの植民地期から1980年代までの歴史認識に関するサーベイデータに基づき、これが最新の大統領選挙の結果を説明することが明らかにされている。 2021年度に出版した新型コロナウィルスによるパンデミック下での財政分配に関するフィリピンとマレーシアの国家の比較研究は、海外の共同研究者とともに共著論文として執筆している。 なお、昨年度と同様、渡航制限やアーカイブの利用制限のために、海外出張によるデータ収集は断念せざるをえなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
海外渡航制限やアーカイブの使用制限等により、新たなデータの収集は叶わなかった。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度は、フィリピンとワシントンDCで資料収集し、フィリピンの植民地期から独立期の財政をめぐる行政と立法の取引状況を、文書から紐解くことを優先する。 また、2020-2021年のパンデミック時の財政側面からみた東南アジア各国の振る舞いに関する比較研究は、早急に学術論文としてまとめて投稿する。
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