研究課題/領域番号 |
18KK0359
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研究種目 |
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(A))
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
理論経済学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
尾山 大輔 東京大学, 大学院経済学研究科(経済学部), 教授 (00436742)
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研究期間 (年度) |
2019 – 2024
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
15,600千円 (直接経費: 12,000千円、間接経費: 3,600千円)
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キーワード | interaction game / incomplete information / information design / higher order belief / supermodular game / potential game / 情報設計 / 不完備情報 / 情報頑健性 / ゲーム理論 / 制度設計 |
研究開始時の研究の概要 |
社会は多くの経済主体から構成され,それらの行動は互いに影響しあっている.基課題は,人々の行動が空間,時間,情報を通じてどのように相互作用するのかを,ゲーム理論に基づく統一的な分析を通してより深く理解することをその目的とするものであった.その成果として,とくに不完備情報ゲーム理論について,高階信念を分析する手法の一般化を開発し,それを用いて均衡の情報頑健性の特徴づけを与えることに成功した.本国際共同研究では,上記不完備情報ゲームについての成果を発展させ,情報設計理論に関する新しい知見を得ることを目的とする.
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研究実績の概要 |
何らかの目的関数に照らし合わせて望ましい帰結を得るために,行動主体たちに対してどのような情報構造を与えればよいか,という情報設計問題についての理論研究を行う.とくに,目的関数に鑑みて最悪シナリオの均衡が実現すると想定し,その下での最適な情報構造を求める,という最悪ケース最適化を考える. MIT経済学部に滞在して行った(2021年度後半-2022年度前半)海外共同研究者との共同研究を継続した.最悪ケース情報設計問題の研究については,改訂作業を完了,投稿していた学術誌に無事受理された.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
最悪ケース情報設計問題,より具体的には2戦略優モジュラーゲームにおける最小均衡遂行の問題に関する研究については,査読者からの改訂要求に応じて論文を改訂し,最終的にEconometrica誌に受理された. 上記研究の発展研究として,情報設計の理論と均衡の情報頑健性の理論との関係を定式化することを試みた.頑健均衡という既存の概念の「強」版,強頑健均衡を定義し,2戦略優モジュラーゲームにおいては強頑健兼均衡は強単調ポテンシャル最大化解で特徴付けられることを示した.その証明には,上記の情報設計の理論の結果が用いられている.研究成果はJapanese Economic Reviewに受理・掲載された.
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今後の研究の推進方策 |
他の発展研究を継続する.とくに,さまざまな制約条件の下での貨幣支払い付きの情報設計問題についての研究を進めていく.
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