研究課題
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(A))
世界のデルタ都市の危機と水害レジリエンスを評価するには、自然科学・工学から社会科学に及ぶ多様なデータを統合し将来予測に関するシミュレーションを行うことが有効であるが、そのためには特定の地理的スケールでのデータ統合が必要であり、その手法は十分に確立されていない。そこで本課題では、水害レジリエンスを多面的に分析することを最終目的として、主に社会科学系のデータを統融合する手法を開発をすべく、ハーバード大学地理解析センターと共同研究を実施する。各種シミュレーションやモデル化のためのデータ記述や格納の方法や新たな枠組み等を検討することで社会科学系データの統合的利用の促進への貢献を目指す。
本研究では水害レジリエンス多次元分析モデルの構築を目的として、ハーバード大学計量社会科学研究所(IQSS)地理解析センター(CGA)との共同研究を実施した。ハーバード大学に1年半滞在し、アジア地域研究のアムリタ教授やCGAの研究者らと学際的議論を進めるとともに、MITやボストン大学、ノースイースタン大学などの周辺大学での国際研究ネットワークの強化を進めるための活動を推進した。COVID-19の影響により、ハーバード大学で開催を準備していた本研究に関するシンポジウムが中止になったが、2022年以降COVID-19が収束したことに伴い米国への渡航を再開し、ほぼ計画通りに研究を実施できた。
本研究の成果として、19編の査読つき原著論文を国際ジャーナルに出版するとともに、ハーバード大学が主催する国際会議で招待講演を行ったり、その他の国際会議での講演などを通して、本研究の成果を世界的に広く発信した。また、本研究成果を発展させたかたちでの新たな日米共同研究を立案し、日米両国の研究ファンド機関に研究提案を申請するに至った。タイのチュラロンコン大学やミャンマーのヤンゴン工科大学(YTU)、スリランカのペラデニア大学、バングラデシュ工科大学(BUET)等と国際共著論文を多く出版できたことは学術的に大きな成果であり、アジアモンスーン地域の主要大学との連携を強化したことは社会的に意義が大きい。
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すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (11件) (うち国際共著 9件、 査読あり 11件、 オープンアクセス 11件) 学会発表 (32件) (うち国際学会 31件、 招待講演 7件) 学会・シンポジウム開催 (1件)
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