研究課題/領域番号 |
18KK0361
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研究種目 |
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(A))
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
理論経済学
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研究機関 | 一橋大学 |
研究代表者 |
陣内 了 一橋大学, 経済研究所, 教授 (50765617)
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研究期間 (年度) |
2019 – 2023
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
15,470千円 (直接経費: 11,900千円、間接経費: 3,570千円)
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キーワード | 資産価格バブル / 経済成長 / 景気循環 / ビジネスサイクル |
研究実績の概要 |
2022年度も2021年度に引き続き「繰り返しバブル」を取り込んだ経済モデルの分析を進めた。資産価格バブルの新たな負の側面、すなわち、将来の資産価格バブル発生が予見されると「富効果」が生まれ、それが現在時点において投資や労働供給を押し下げ、経済成長を鈍化させるというメカニズムに起因する経済厚生上の損失を見つけた。経済厚生上の損失を定量的に測るために、米国の資産価格とGDP成長率のデータを使って過去数十年に米国において資産価格バブルが発生していた確率を推定し、バブルがマクロ経済に与えた影響も推定した。研究成果を論文にまとめて国際的に定評のある査読付き英文学術雑誌に刊行した。 資産価格バブルの最新の研究動向についてサーベイを行った。政策担当者の視点と、経済学者の視点の対立に焦点を当てて、理論研究と実証研究の両面から資産価格バブルについての経済学的研究を解説した。これらの成果を論文にまとめ、査読付き邦文学術誌に刊行した。 資産価格バブルを表現する理論モデルの改善にも取り組んだ。既存の資産価格バブル研究はバブルがいつ発生するかについての予測力が弱いという問題点がある。資産価格バブルがある均衡と、それが無い均衡が同時に存在するという複数均衡の問題があるからである。どちらの均衡が実現するかという均衡選択に関し、資産価格バブルの分野には説得的な議論が未だに存在しない。そのため資産価格バブルが発生しうるという意味での必要条件は特定できても、ある条件では必ず発生するという意味での十分条件は特定できていなかった。この問題の解決に貢献するために2部門の経済成長モデルを構築し、資産価格バブル発生の必要条件と十分条件を分析した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
予定していた海外渡航を再開し、海外共同研究者との研究を進めることが出来た。複数の研究成果を査読付き学術誌に刊行できた。
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今後の研究の推進方策 |
Royal Holloway, University of Londonに渡航して共同研究を進める。研究成果を論文にまとめて学術誌に投稿する。国内外の学会や研究集会で研究成果を発表する。
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