研究課題/領域番号 |
18KK0367
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研究種目 |
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(A))
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分07100:会計学関連
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研究機関 | 法政大学 |
研究代表者 |
北田 皓嗣 法政大学, 経営学部, 准教授 (90633595)
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研究期間 (年度) |
2019 – 2024
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
15,600千円 (直接経費: 12,000千円、間接経費: 3,600千円)
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キーワード | サステナビリティ / 資源生産性 / 情報開示 / アカウンタビリティ / マテリアルフローコスト会計 / MFCA / サステナビリティ経営 / サステナブルマネジメント / MCS |
研究実績の概要 |
本研究計画で予定していた資源生産性管理手法の利用に関連する基礎研究として,本年度は企業の資源生産性がそのコスト構造やコストビヘイビアに与える影響について分析を行なった。具体的には日本企業のデータを用いて,廃棄物発生量とCost of Goods SoldとSelling, General and Administrative expensesとの関係を分析している。これにより廃棄物発生量は企業のCost of Goods Soldと正の関係にあること,Selling, General and Administrative expensesとは負の関係にあることが示された。またそれらのコストのトータルであるOperating Costsは廃棄物発生量と正の関係にあったため,企業は収益性が向上する範囲内でのみ資源生産性管理活動を行なっており,今後,環境保全との関係を考える場合にはより一層の活動の余地が残されていることも示された。 加えて,本研究ではこれらのコスト項目について,コストスティッキネスと廃棄物発生量との関係についても分析している。その結果,廃棄物発生量がSelling, General and Administrative expensesとOperating Costsのコストスティッキネスを弱めることが確認された。 これらの結果,企業は資源生産性管理を通じて,一定程度は収益性のマネジメントに成功しているものの,よりダイナミクスに現象を捉えると,改善の余地があることが示された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究活動自体は,資源生産性について,先行研究では明らかにされてこなかった詳細なコスト構造,コストビヘイビアとの関係を分析し,良好な分析結果を得ることができたため,順調に進展していると考えられる。 ただし,本研究計画の目的たるドレスデン工科大学への渡航は,研究協力者の体調の問題があり,短期的にしか実現していない。ただ適宜,オンラインツールを利用してコミュニケーションを取っているため,建設的な研究活動は進められている。
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究予定として,現在の研究を論文執筆を進め,学会での発表やジャーナルへの投稿を進めるとともに,分析をより一層,発展させることを予定している。 具体的には廃棄物発生量がコスト構造およびコストビヘイビアに与える影響については, 従来は利益指標かトービンのQなどの集約された指標しか採用されていなかったが、本プロジェクトでは売上原価や販管費、もしくはスティッキーコストなど、多様なコスト項目を用いて分析する方針を採用している。
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