研究課題/領域番号 |
18KK0370
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研究種目 |
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(A))
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分05030:国際法学関連
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
福永 有夏 早稲田大学, 社会科学総合学術院, 教授 (10326126)
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研究期間 (年度) |
2019 – 2023
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
14,820千円 (直接経費: 11,400千円、間接経費: 3,420千円)
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キーワード | WTO紛争処理 / FTA紛争処理 / 貿易紛争処理 / 投資仲裁 / 投資家対国家の紛争処理(ISDS) / 気候変動 / 経済安全保障 / 貿易紛争 / 投資紛争 / 国際経済紛争処理制度 / WTO紛争処理 / 国際紛争処理 / 規制権限 / 条約解釈 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、WTO紛争処理と投資仲裁をどのように改革すべきかを明らかにすることにある。 WTO紛争処理と投資仲裁は国際経済紛争の解決に貢献してきたが、その影響力が高まるにつれ近年では批判にさらされるようにもなり、両紛争処理の改革を求める議論が特に欧州において活発化している。 欧米の研究者との共同研究を行うことによって、研究代表者がこれまで行ってきた研究の深化が図られると期待される。
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研究実績の概要 |
2022年度は、主として気候変動に関連する国際経済紛争と経済安全保障に関連する国際経済紛争処理を研究テーマとした。 別途掲載する出版業績の他、多数の国際会議や学会で発表をおこなった。シンガポール国立大学主催の国際会議Investment Protection and Climate Change Regulatory Reform in Asiaにおいてパネリストを務めた。アメリカ国際法学会においては、(日本)国際法学会主催のセッション(経済安全保障や気候変動に関するインド太平洋地域の国際的枠組みの検討)を企画するとともにモデレーターを務めた。日本国際問題研究所(JIIA)公開ウェビナー「グローバル化の新たな時代:WTOは新たな国際環境にいかに貢献できるか?」においてはWTO事務局長講演のディスカッサントとして主としてWTO紛争処理の今後についてコメントした。APECタイ2022の関連で開催されたワークショップ"APEC Workshop on Current Trends on Dispute Settlement Mechanisms in Trade Agreements"では、パネリストとして紛争処理の今後について発表した。 また研究会での報告も複数おこなった。一般財団法人国際貿易投資研究所(ITI)の研究会では、WTO紛争処理の現状と改革の方向性のほかFTA紛争処理の今後についても検討した。経済産業省研究会においては、インドネシア-ニッケル鉱石輸出関連措置パネル報告について評釈を行った。このほかエネルギー関連投資仲裁関連国際共同研究グループの会議においてモデレーターを務めた。 米国よりジェームズ・バッカス教授を招聘し、日本の学会にて講演していただいたほか、別途講演会を開催した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
気候変動に関する国際経済紛争処理と経済安全保障に関する国際経済紛争処理について コロナ禍により研究が遅れていたが、2022年度以降は遅れを取り戻しつつある。特に2022年度は、国際学会(対面)での研究報告の機会が複数あり、共同研究を有意義に進めることができた。
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今後の研究の推進方策 |
本研究は、WTO紛争処理と投資仲裁の改革を課題として行ってきた。 改革に関する交渉の進展は遅々として進んでいないものの、一定の方向性はみえつつある。 すなわちWTO紛争処理については、FTA紛争処理の活用が一定程度進んだほか、これまでほとんど使われていなかった仲裁を活用する動きがある。 また投資仲裁についても、常設裁判制度の設立にはいたっていないものの、手続面での改革は一定程度進んでいる。 近年、特に気候変動や経済安全保障に関連して、いかに紛争処理を活用するかが重要な課題となっている。2023年度は気候変動と経済安全保障に関する紛争処理を主たる研究テーマとしたい。またこれまでの研究成果を論文にまとめて発表したい。
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