研究課題/領域番号 |
18KK0374
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研究種目 |
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(A))
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
社会学
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研究機関 | 国立社会保障・人口問題研究所 |
研究代表者 |
福田 節也 国立社会保障・人口問題研究所, 企画部, 第2室長 (90409433)
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研究期間 (年度) |
2019 – 2023
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
13,130千円 (直接経費: 10,100千円、間接経費: 3,030千円)
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キーワード | 出生 / ジェンダー / 両性出生モデル / センサスデータ / 国際比較 / 形式人口学 / 結婚 / 学歴同類婚 / 国勢調査 / 学歴組み合わせ別婚姻率 / 将来推計 / 45-49歳時未婚率 / 学歴組み合わせ別出生率 / 両性モデル / 将来出生力推計 |
研究実績の概要 |
令和4年度には、これまで延期となっていた海外渡航を行った。4月からの約3か月間スペインのバルセロナ自治大学人口研究センターに、8月からの約6か月間オーストラリアのオーストラリア国立大学人口学部に滞在し、現地の研究者との共同研究を行った。スペインでは、研究協力者で同センター所長のEsteve教授の助言を得つつ、両性出生モデルといわれる男女両性の属性組み合わせ別出生率をモデル化して分析する手法について研究を進めた。また、アメリカのミネソタ大学が管理・運営するデータアーカイブであるIPUMS Internationalより世界50数か国のセンサスデータを入手し、このデータを用いて、実際に両性出生モデルを適用し、男女の学歴組み合わせ別出生力に関する予備的な分析を行った。分析結果は、オランダ・グローニンゲン大学で開催されたヨーロッパ人口学会や同センターのセミナーで報告し、フィードバックを得ることができた。オーストラリアでは、当初、前学部長のEdith Gray教授との共同研究を予定していたが、ご家族のご事情等あり、筆者の着任時に同氏は学部長を退任されて研究休暇に入られた。そのため、新たに学部長となったCanudas Romo教授の助言を受けつつ、バルセロナ滞在で得られた結果やさらに精緻化した内容について研究を進め、その成果を学内のセミナー及びオーストラリア人口学会で報告した。暫定的な分析結果をもとに、日本語論文をまとめ、大学紀要論文に掲載した。氏との議論を通じて、当初予定にはなかった両性出生モデルを用いた要因分解についてのアイデアが生まれ、今後共同研究を行うこととなった。また、日本語論文の分析を精緻化した内容について、同校で知り合った若手研究者と共著で英語論文にまとめていく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
令和4年度にようやく海外での共同研究が実現し、分析方法についての整理や予備的な結果を得ることができた。しかし、渡航制限緩和直後の海外渡航ということもあり、オーストラリアでは大学の短期滞在アパートが利用できず、住居探しが難航する等、生活の立ち上げに多くの時間を取られた。また、渡航時期が延期されたことにより、当初予定よりも渡航期間が短縮され、他プロジェクトの仕事も行いつつ研究を実施せざるを得なかった。そのため、帰国後に海外の研究協力者を招聘し、日本でも作業を行った、今後、分析結果をより精緻に検証し、論文にまとめていく作業にさらに時間が必要である。
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今後の研究の推進方策 |
再延長により研究事業を1年間延長することができたため、令和4年度の海外共同研究で得られた分析結果をより精緻に検証し、英語論文にまとめて、国際学術雑誌に投稿する。また、男女の学歴組み合わせ別出生率に関するデータベースを整備して、出生力のシミュレーションを行う方法について整理する。さらに、今回の海外渡航により派生した新たな共同研究について適宜取り組んでいく。
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