研究課題/領域番号 |
18KK0378
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研究種目 |
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(A))
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
地質学
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研究機関 | 茨城大学 |
研究代表者 |
山口 直文 茨城大学, 地球・地域環境共創機構, 講師 (80634120)
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研究期間 (年度) |
2019 – 2023
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
9,490千円 (直接経費: 7,300千円、間接経費: 2,190千円)
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キーワード | 津波堆積物 / 堆積過程 / 水路実験 / 非定常流 |
研究開始時の研究の概要 |
申請者はこれまで,津波堆積物の特徴が,地形条件や水理条件によって時系列堆積侵食過程が異なることから大きく影響を受ける可能性を明らかにしてきた.この国際共同研究では,この研究を発展させ,そのメカニズムを明らかにする.堆積過程の物理メカニズム研究に精通した研究者との連携が可能な英国のハル大学に滞在し,水路実験による堆積過程の定量的な観察とモデルの構築を行う.この国際共同研究で得られる,正確なメカニズムの理解に基づいた定量的モデルは,多様な津波堆積物の識別や解釈に貢献することが期待される.
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研究成果の概要 |
本研究課題では,非定常流である津波流による堆積侵食過程について,定性的な理解を発展させ,現象のメカニズムの解明と定量的な理解を目指し,堆積過程の物理や,底質に含まれる泥質堆積物の影響についての研究に精通した英国 Hull大学の研究者らと連携して共同研究を実施した.特に流れの非定常性を考慮した土砂輸送モデルの検証や非定常流下の底質輸送における泥質堆積物成分の影響などについて明らかにするための水路実験とその解析を行った.その結果,流れの非定常性の影響が見られる範囲や砂泥混合物の場合の影響を定量的に評価することができた.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究によって,これまで津波による堆積侵食シミュレーションなどに用いられてきた準定常流に基づいたモデルの妥当性が定量的に確認された.一方で,津波堆積物の堆積構造形成過程における非定常性の影響の可能性は残されており,今後その検討の重要性が見出された.また津波に限らず非定常流下における砂泥混合物輸送の複雑性が明らかになった.特に泥の特徴や割合の影響の大きさが定量的に示され,流れによる底質の巻き上げのシミュレーションなどにおいて無視できないことが明らかになった.
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