研究課題/領域番号 |
18KK0385
|
研究種目 |
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(A))
|
配分区分 | 基金 |
研究分野 |
数理物理・物性基礎
|
研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
内海 裕洋 三重大学, 工学研究科, 准教授 (10415094)
|
研究期間 (年度) |
2019 – 2022
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
15,210千円 (直接経費: 11,700千円、間接経費: 3,510千円)
|
キーワード | 物性理論 / メゾスコピック系 / 非平衡量子輸送 / 熱量揺らぎ測定 / 情報通信 |
研究開始時の研究の概要 |
メゾスコピック量子導体における熱流ゆらぎ測定の理論を構築する。基課題では量子導体を量子通信路とみなし、量子輸送理論を情報通信理論的観点から捉え、エンタングルメント・エントロピー・情報流・熱流・電流の揺らぎを理論的に研究している。本国際共同研究では、基課題の成果と実験を繋げること目的とし、熱流ゆらぎ(熱流ノイズ)のオンチップ温度計等による測定理論を、非平衡Keldysh場の理論に基づく完全計数統計理論を用いて構築する。
|
研究成果の概要 |
基課題の情報エントロピー・熱量・電荷量の揺らぎ相関の理論研究成果を実験研究と繋げる形で発展させることを目的とし,期間中以下の成果を得た.熱流揺らぎ分布測定の理論:ボーズ粒子系の熱流・情報流分布の一般表式を得て,超伝導量子伝送線の最大通信容量を得た.さらに波としての振る舞いが顕著に現れる領域において,分割数と注水定理の関係を得た.開放量子系の時間変化の原理的限界:オンチップ量子素子を念頭に,環境と弱く結合した量子系の時間変化に伴う熱力学的コストの原理的限界を得た.
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究成果は,統計・情報理論と量子輸送理論を融合し,超伝導量子回路素子の電気伝導,熱伝導現象を理論的に解析することで,その情報処理素子としての性能や測定素子としての感度の物理法則による原理的限界を明らかにしたという学術的意義をもつ.本成果は,近年見出された非平衡熱統計力学における普遍的関係式を適用したという側面もある.成果は,将来の効率的な量子デバイスの設計または性能評価の指針として利用できると期待される.
|