研究課題/領域番号 |
18KK0390
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研究種目 |
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(A))
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
薄膜・表面界面物性
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
野澤 和生 鹿児島大学, 理工学域理学系, 准教授 (00448763)
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研究期間 (年度) |
2018 – 2020
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
13,650千円 (直接経費: 10,500千円、間接経費: 3,150千円)
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キーワード | 準結晶 / 表面 / 第一原理計算 / 結晶成長 / 薄膜 / 単元素準結晶 / エピタキシャル成長 / 吸着 / 表面・薄膜 |
研究成果の概要 |
本研究は、第一原理計算により、準結晶基板上に基板の構造を模して成長する、単一元素のみからなる準結晶超薄膜の成長機構を解明することを目指して行ったものである。計算によって特定したBiの吸着構造から走査型トンネル電子顕微鏡像を計算し、表面緩和の効果や実験で観測されない原子層について議論した。準結晶表面をバンド計算で扱う際のクラスタ近似の誤差を見積もった。構造緩和計算により、表面緩和の効果を検証し、基板準結晶の基本構成単位である四面体クラスタが表面層においても安定であることを見出した。基板準結晶の近似結晶であるAu-Al-Tb近似結晶(111)面で観測された表面再構成を確認した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
準結晶表面は並進対称性がないため、通常のバンド計算で扱う際には何らかの近似が必要になるが、これまでに準結晶表面を扱った先行研究はほとんどなく、計算方法やその誤差に関する確立された知見はなかった。本研究では、最もシンプルな近似であるクラスタモデルについて、クラスタサイズから見込まれる誤差を詳細に調べた。この成果は今後の同種の研究にとって重要な参照データとなるものである。Au-Al-Tb近似結晶表面において表面再構成が生じることを見出した。これはこの系の準結晶関連物質において初めての表面再構成の報告であり、準結晶表面の構造を解釈するうえでも重要な知見となった。
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