研究課題/領域番号 |
18KK0392
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研究種目 |
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(A))
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
固体地球惑星物理学
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研究機関 | 国立研究開発法人建築研究所 |
研究代表者 |
北 佐枝子 国立研究開発法人建築研究所, 国際地震工学センター, 主任研究員 (10543449)
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研究期間 (年度) |
2019 – 2023
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
12,610千円 (直接経費: 9,700千円、間接経費: 2,910千円)
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キーワード | 海洋性プレート / スラブ内地震 / スロースリップ / スロー地震 / 応力場 / 沈み込み帯 / 地震活動 / 海溝型巨大地震 / 西南日本 / カスカディア / 北米 / フィリピン海プレート / 短期的スロースリップ / カスケディア / 紀伊半島 / 長期的スロースリップ / 豊後水道 / DAS / 地殻流体 / 地震波減衰構造 / ゆっくりすべり / b値 |
研究開始時の研究の概要 |
紀伊半島,四国,カスケディアを研究対象地域とし,短期的すロースリップの発生前後に起きる,海洋性プレート内部(スラブ内)での1)応力場,2)地震のb値,3)地震発生数の 変化について調べる.そして,スロー地震とスラブ内地震の変化発生時期に関係が見えるかについての理論構築を測地学者と,地質学者との議論もしつつ,スラブ内地震とスロー地震との関係モデルの構築を目指す.
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研究成果の概要 |
本項では主な成果である、準トップ誌への2つの論文の内容について記す。2021年出版のNature communicationsでの国際共同論文では、紀伊半島下にてM6程度のスロースリップの発生の度に、海洋性プレート内の応力状態と地震活動のパターンが変化することを見つけた。また、プレート境界伝いに南海トラフ地震の想定震源域までスロースリップが伝搬していく様子も捉えることに成功した。2024年Science Advancesにて出版の国際共同論文では、東北地方下にて20年分の地震観測データを調べた。すると、M9地震前後で海洋性プレート内にて応力中立面の4km程度の深部拡大を世界で初めて見つけた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
2021年出版の国際共同論文で執り行った解析手法は、気象条件の良し悪しに左右されない基盤的地震観測網の地震観測データを使用している。すなわち、本研究は純粋科学への進歩への貢献だけではなく、海溝型巨大地震の準備過程に関する安定した新たな監視手法としてスラブ内地震が役立つことを示した点も非常に重要である。 2024年出版の国際共同論文はM9後にスラブ内大地震が起きやすくなった事実の理由を説明できる内容である。M9地震後の東北地方でのスラブ内大地震である2022M7.4福島沖地震の発生後は東北新幹線の運行停止期間が1ヶ月起きており、今後の地震工学分野などとの連携による研究の発展も重要と思われる。
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