研究課題/領域番号 |
18KK0394
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研究種目 |
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(A))
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分37020:生物分子化学関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
谷口 透 北海道大学, 先端生命科学研究院, 准教授 (00587123)
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研究期間 (年度) |
2019 – 2023
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
15,600千円 (直接経費: 12,000千円、間接経費: 3,600千円)
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キーワード | VCD / ROA / 理論計算 / 構造解析 / 糖 / 脂質 / キラリティー / コンフォメーション / ラマン光学活性 / QM/MM理論計算 / 分子動力学 / ヌクレオシド / 重水素 / 円二色性 / 構造決定 / 柔軟分子 / 中分子 |
研究開始時の研究の概要 |
新奇分子の構造解析は研究全体のボトルネックとなりうる段階であり、特に極性分子・柔軟分子・中分子に対して実用的な解析法は限られている。代表者はこれまでVCD(赤外円二色性)分光法を用いた構造解析法を種々開発してきたが、本国際共同研究ではVCDと相補的な分光法 ROA(ラマン光学活性)を用いる。糖や脂質など各種分子についてROA計算条件を最適化し、VCDと併用で分子構造を高精度に決定する方法論を開発するとともに、得られる知見をVCD計算の最適化へとフィードバックする。また化学ラベル化によって、ラベル部位の周辺構造の情報を抽出して構造解析するROA方法論を開発する。
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研究成果の概要 |
新規分子の構造解析は研究全体のボトルネックとなりうる段階であり、特に極性分子や中分子に対して実用的な解析法は限られている。我々はVCD(赤外円二色性)を用いた各種分子の構造解析を達成してきた。本国際共同研究ではVCD分光法と相補的なROA(ラマン光学活性)も用いて、スペクトルの理論計算ひいては構造解析をより正確かつ汎用的に行う方法の開発に従事した。ROA研究を通じて、測定対象の分子と溶媒の相互作用をより厳密に考慮するスペクトル計算を実施するとともに、本法をVCD分光分析にも適用することによって信頼性と適用範囲が広い構造解析法の開発を行った。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、溶媒と強固に相互作用する親水性官能基を有する分子群や、中分子のように構造が柔軟な分子など、従来の計算手法に基づく分光構造分析では解析困難だった各種分子群について、全体構造・部分構造を決定する新たな方法論を示した。本研究成果によって、各種分子の構造決定というボトルネックが大幅に解消されることが見込まれる。さらに、薬剤分子などの安定コンフォメーションの解析にも有効であることから、より活性の高い薬剤の開発などにも資すると期待される。
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