研究課題/領域番号 |
18KK0410
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研究種目 |
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(A))
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
核融合学
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
田中 宏彦 名古屋大学, 未来材料・システム研究所, 准教授 (60609981)
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研究期間 (年度) |
2019 – 2023
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
15,470千円 (直接経費: 11,900千円、間接経費: 3,570千円)
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キーワード | 非拡散的輸送 / 非接触プラズマ / Magnum-PSI / 揺動解析 / 静電プローブ / 高速カメラ / 再結合フロント / ダイバータプラズマ / MAGNUM-PSI |
研究実績の概要 |
本国際共同研究では、ITERダイバータ領域に匹敵するプラズマパラメータ・磁場強度を有する直線型超電導装置Magnum-PSI(オランダ、DIFFER研究所)を用いて揺動データセットを取得し、非拡散的輸送の実験条件依存性を調査する。パラメータ領域や磁場構造の異なる国内複数装置(NAGDIS-II, GAMMA 10/PDX, LHD)で得られた結果と比較することで、ITERや原型炉といった将来装置における輸送特性を外挿評価することを目的とする。 4年目である2022年度は、コロナ禍による渡航の制限が大幅に緩和されたことから、準備・打ち合わせおよび実験のため、オランダDIFFER研究所への出張を2回にわたり行った。2021年度までの国内装置NAGDIS-IIを用いた模擬・比較実験において、静電プローブを熱負荷の低い径方向周辺部に固定し、高速カメラ計測を同時に行い条件付き平均ならびにトモグラフィ解析を適用することで、プラズマ内部の挙動を推定可能なことがわかっている。同手法をMagnum-PSIに適用するため、1Tを超える強磁場環境において下流ガス流量調整により接触・非接触状態を遷移させ、各条件での静電プローブ・高速カメラの同時計測を実施した。 この他、比較対象である国内直線型装置のGAMMA 10/PDXにおける揺動解析内容を学術論文にまとめ発表した。また、多変量解析手法の周辺揺動信号への適用に関して海外研究者との情報交換・共著発表を行うとともに、LHDを対象とした研究成果を学術論文として発表した。加えて本研究では、欧州滞在の利点を活かす目的から、3次元輸送コードEMC3-EIRENEを用いた研究を並行して行っている。トカマク装置JT-60SAに印加する外部摂動磁場やトロイダル磁場リップルに対する周辺プラズマへの影響を調査した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
コロナ禍により2020年度より遅延していた、本研究の最重要課題であったMagnum-PSIの強磁場条件でのデータ取得が、2022年度の実験でついに達成された。実験実施が年度末となったことから、データ解析を急ぎ、追加データが必要な場合は2023年度の取得を試みる。その他、国内装置を対象とした研究結果については、複数の学術論文にまとめ出版した。 以上のことから、2022年度における総合評価を(2)とした。
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今後の研究の推進方策 |
2022年度末に取得できたMagnum-PSIの強磁場データを早急に解析する。これにより、ITER級パラメータ条件における非接触プラズマ中の非拡散的輸送特性を明らかにする。追加で必要なデータがある場合には、2023年度の実験での取得を試みる。効率的な実験遂行のため、DIFFER研究所におけるデータ収集系の増強を行うことを計画している。NAGDIS-IIで得られたデータに対して適用している条件付き平均・トモグラフィ解析について、学術論文化を行う。
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