研究課題
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(A))
本研究では、研究代表者が世界で初めて実現した気体噴射液体排除法による細胞組織濡れ性評価法と海外共同研究者が独自に開発した空間的・力学的細胞外マトリックス動態評価法を用いて、 細胞分化時のダイナミックに変化する濡れ性とマトリックス動態から細胞の品質を非破壊的に評価することを目的としている。本年度は、短期間ではあったが新型コロナウイルスのパンデミックが始まって以来初めて共同研究先への渡航が実現し、現地で実験を実施することができた。共同研究先での滞在中は、共同研究者らが新たに開発した細胞外マトリックスの解け具合を可視化する手法について原理を学ぶと共に、実験を通じて理解を深めることができた。また、気体噴射液体排除法について原理を紹介すると共に、細胞外マトリックスを対象として分子状態の変化と濡れ性の対応づけた実験を実施した。セミナーやミーティングを通じて、これまでの実験結果および今後の構想についてディスカッションを行うことができた。また実験を通じて得た知見を元に、気体噴射液体排除法は、気体噴射が能動的に界面分子の状態変化を生じさせ、その変化を緩和する過程も含めて、界面分子と液体分子との相互作用をマクロな視点で捉える濡れ性評価手法であるとの仮説を立てている。共同研究者らの開発した細胞外マトリックス動態評価法だけでなく、分光学的手法など他の観点から仮説検証を行うことが望ましいと考えている。また、細胞外マトリックスの性質をふまえた界面設計など工学的応用にも取り組んでおり、本研究の幅広い展開に道筋をつけることができた。
2: おおむね順調に進展している
新型コロナウイルスのパンデミック以来初めて共同研究先での実験を行うことができ、有益なデータが得られたため。
これまで液体という巨視的な視点で濡れ性を取り扱ってきたが、これまでの実験結果を鑑みて、より微視的な観点に立って研究を進めていく予定である。具体的には、界面分子状態の直接観察および界面分子を能動的にコントロールした実験のデザインである。
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すべて 雑誌論文 (13件) (うち国際共著 3件、 査読あり 12件、 オープンアクセス 9件) 学会発表 (33件) (うち国際学会 9件、 招待講演 7件) 備考 (7件) 産業財産権 (1件)
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