研究成果の概要 |
本研究は, 白血病におけるインテグリンの発現制御機構解明を目標とし, この概念や方法論を通じて, 脳腫瘍におけるインテグリン発現制御機構に応用, 発展させることを目的としている. その結果, ITGA9はAML幹細胞 (LSC) に高発現し, ITGA9の発現がMYCの発現を増加させ, AKT/PI3K経路活性化を介してAMLのリボソーム生合成を促進し, AML増殖に関与していることを示した. また, TGA9の発現はMYC自身あるいは, MYC遺伝子座上に形成されるスーパーエンハンサーのクラスター遺伝子により制御されている可能性があることを示唆した基礎的知見である.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は, スーパーエンハンサーを解析することにより, がん関連遺伝子インテグリンの発現制御機構を明らかにする新しい試みであり, 本研究によって得られた知識や技術は脳腫瘍のみならず, 他の腫瘍においても応用可能であると考えられる. また本研究によって得られた結果を発展させることで, 今後白血病や脳腫瘍において新たな治療標的を探索することができる可能性があることから, 本研究成果は腫瘍生物学にとって重要な基礎的知見を提供できたと考えられる.
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