研究課題/領域番号 |
18KK0450
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研究種目 |
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(A))
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
医学物理学・放射線技術学
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
大野 直樹 金沢大学, 保健学系, 准教授 (30642219)
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研究期間 (年度) |
2019 – 2023
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
13,130千円 (直接経費: 10,100千円、間接経費: 3,030千円)
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キーワード | 磁気共鳴イメージング / 局所脳血流量 / 拡散MRI / フェーズコントラストMRI / 頭蓋内環境 / 揺動MRI / 位相コントラストMRI / 脳腫瘍 |
研究実績の概要 |
本研究は,頭蓋内環境に関する複数の機能情報を一度の磁気共鳴イメージング(MRI)検査で取得し,統合的に解析するシステムの確立を目指す.本解析システムが確立すれば,脳腫瘍の診断と頭蓋内環境の非侵襲的モニタリングに役立つ可能性がある.令和4年度は,前年度に引き続き,本研究グループが考案した局所脳血流量定量手法の撮像条件と解析手法をブラッシュアップし,臨床評価を実施するための環境を整備した. 本研究で提案する局所脳血流量の定量手法の概要は次の通りである.まず,3TのMRIにおいて拡散傾斜磁場強度(b値)を段階的に変化させながら脳の拡散強調画像を取得し,多重指数関数を使用した拡散解析によって灌流成分の拡散係数画像を作成する.次に,フェーズコントラストMRIを使用して左右の内頸動脈および椎骨動脈の時間血流量から総脳血流量を算出する.灌流成分の拡散係数と脳血流量の線形性を利用して,総脳血流量を重みづけし,それを灌流成分の拡散係数画像の脳実質領域に割り振ることによって局所脳血流量画像を算出する.なお,令和2年度の研究において,本手法によって算出した灰白質と白質の局所脳血流量は,過去の報告で15O-H2Oによる陽電子放出断層撮影検査(PET)で取得した測定値と概ね一致することを実証済みである. しかし,提案手法によって非侵襲的に局所脳血流量を定量評価することが可能である一方,拡散MRIとフェーズコントラストMRIの撮像に7分程度要することが課題であった.そのため,令和4年度は,解析に必要な一連のMRIデータを3分以内で取得し,より簡便に局所脳血流量の定量評価を行うために,拡散強調画像のb値数の削減を削減して撮像時間を短縮し,よりロバスト性の高い解析手法を構築した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
拡散強調画像のb値数の削減によって撮像時間の短縮を試みた結果,解析に必要な一連のデータを3分程度で取得できる可能性が示唆された.しかし,b値数の削減によって拡散解析のロバスト性が低下し,局所脳血流量が過大評価されるという問題が明らかとなった.この問題を解決するために,撮像条件をさらに最適化して拡散強調画像の信号雑音比を改善するとともに,よりロバストな拡散解析手法を開発した.健常ボランティアにおいて改良手法の妥当性の検証を試みたが,新型コロナウイルス感染症の感染拡大により,予定していた被験者数を集めることができなかった.
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今後の研究の推進方策 |
令和4年度に引き続き,より簡便で正確な局所脳血流量の定量評価を行うために,拡散強調画像のb値数の削減による撮像時間の短縮とロバスト性の高い解析手法の確立を目指す.また,本研究で得られた研究成果を社会に向けて広く発信するために,国際会議を中心とした学会発表や欧文誌への論文投稿を行う予定である.
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