研究課題
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(A))
ビタミンKは抗腫瘍作用とがん再発予防作用の2つの作用を有することが報告されているがそのメカニズムは明らかでない。これまでに、ビタミンK変換酵素UBIAD1が、GTPエネルギー代謝により制御されていることを見い出した。そこで本研究では、「GTP代謝センサーを介したビタミンK代謝制御機構の解明とがん治療への応用」を目指した。報告者が渡米した時期はCOVID-19が世界的に猛威をふるった中であり、研究計画を修正しGTPセンサー遺伝子をゲノム編集法によりF205Lノックインマウスの作出と表現型の解析を行った。作出したマウスからGTPセンサーは、体重変化や糖代謝、寿命などに影響することを見出した。
GTPセンサーPI5P4Kβは細胞膜脂質であるPI(5)PをPI(4,5)P2にリン酸化するキナーゼである。PI5P4Kβノックアウトマウスは、PI5P4Kβのキナーゼ活性が欠損した表現型だけでなく、他のキナーゼのスキャフォールディングタンパク質としての機能も失う。さらにATP依存性のキナーゼ活性も消失することから、GTPセンサーとしてのPI5P4Kβの生体での役割は未知である。本研究から、GPI5P4Kβは生体において、糖尿病および健康寿命に重要な役割を果たしていることが示された。今後は、PI5P4Kβを標的とした2型糖尿病やサルコペニアへの新たな治療戦略に応用できることが期待される。
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (15件) (うち国際共著 6件、 査読あり 15件、 オープンアクセス 15件) 学会発表 (103件) (うち国際学会 50件、 招待講演 13件)
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