研究課題/領域番号 |
18KK0456
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研究種目 |
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(A))
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
感染症内科学
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研究機関 | 大阪医科薬科大学 |
研究代表者 |
朝井 章 大阪医科薬科大学, 医学部, 准教授 (30622146)
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研究期間 (年度) |
2019 – 2023
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
15,470千円 (直接経費: 11,900千円、間接経費: 3,570千円)
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キーワード | 単球 / アルコール / GAS5遺伝子 / GAS5 / 断酒 |
研究開始時の研究の概要 |
アルコール依存症患者は免疫不全状態から致死的な感染症を起こす。現在までの研究にて、①アルコール依存症患者において高密度に分布するM2b単球が、宿主の感染抵抗性を牽引するM1単球の出現を阻止する原因となり、その結果、感染抵抗性が低下する事、②断酒によりM2b単球消失とM1単球出現が可能となり、感染抵抗性を甦らせうる事を明らかにした。本研究では、このメカニズムを徹底的に解明し、最終的には飲酒患者から日和見感染症のリスクを取り除くことを目指しており、具体的にはGAS5遺伝子導入によりM2bマクロファージを消失させ、アルコール依存症患者の感染抵抗性を改善させる治療法を確立することを目的とする。
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研究実績の概要 |
アルコール依存症患者では、消化管感染症が主な死因の一つとなる。アルコール依存症患者では、腸内細菌叢の変化と腸管の深刻な損傷が起こり、腸内細菌が腸管外へ容易に移行するが、免疫不全状態の為移行した菌を排除できず致死的な感染症を起こす。一般的な感染症に対する治療は抗生剤使用であるが、耐性菌発生を誘引から抗生剤使用以外の方法で感染抵抗性を回復させる治療が切望されている。 マクロファージの活性型には、個体を感染抵抗性にするM1マクロファージ/単球と、抗菌効果を持たずM1マクロファージ/単球の出現を阻害するM2マクロファージ/単球の2種類がある。我々は、①アルコール依存症患者において高密度に分布するM2b単球が、宿主の感染抵抗性を牽引するM1単球の出現を阻止し、その結果感染抵抗性が低下する事、②断酒によりM2b単球消失とM1単球出現が可能となり、感染抵抗性を甦らせうる事を基課題にて明らかにした。しかし、断酒の継続は非常に難しい為、断酒と並行して患者の感染抵抗性を回復させる別の治療法が必要である。 アルコールは、直接作用により細胞内のmiR-27a発現を増大させ、単球をM2b単球/マクロファージへと誘導する。一度誘導されたM2b単球/マクロファージは、自身の生存維持に必須なサイトカイン(CCL1)を産生し、長期に渡り生存し続ける。我々はテキサス大学と共同で、M2bマクロファージにおいて長鎖型non-coding RNAであるGrowth Arrest Specific 5(GAS5)遺伝子 (CCL1遺伝子の発現を抑制する遺伝子)発現が著しく低下している為、CCL1の産生が維持され、結果的に同細胞の延命が保たれる事を発見した。現在は、GAS5遺伝子治療によりCCL1の産生を抑制しM2b単球を消失させ、アルコール依存症患者に感染抵抗性を甦らせる事を試みている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
コロナのため。海外共同研究先への渡航が1年ずれ込み、その後の研究が全て遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
GAS5遺伝子をもつLentiviral vectorの作成を渡航先にておこなったが、あらためて日本にて使用可能なアイテムを用いて同様のLentivarla vectorを作成した。それを用いて、感染させた細胞を作成し、CCL1の産生の抑制を確認している。また、その他にCCL1を抑制する方法がないか検討を行っている。
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