研究課題
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(A))
本研究では、環境化学物質のように成長発達段階における特定の時期の曝露や複合的・経時的な曝露の影響が問題となるようなリスク因子の健康影響を定量することを目指す疫学研究のための生物統計学的手法の開発を実施する。手法の開発は大きく3つに分けて実施する.①経時的なリスク因子への曝露が測定されている場合②疾患状態が連続的に評価され,曝露と疾患状態が互いに影響しあって推移する場合に③曝露状態が経時的に変化する場合これらについて、数値実験(シミュレーション研究)と実データ解析の両方を実施することで,統計学的な性質の確認および議論と,実データ適用による応用可能性や公衆衛生学的なメッセージを同時に発信していく。
コロナ禍での出産及び所属の変更を経て、2022年度末に海外共同研究のための1か月間の渡航が実現した。渡航先については、共同研究相手のサバティカル取得に合わせてハワイ大学のがんセンターでの共同研究実施となった。研究テーマであるライフコース疫学について、これまでのオンラインでの議論に加え、日本の研究の状況説明を行い、対面での助言を得て及び先方の計算機を利用させてもらったシミュレーション研究の実施を行った。2023年度夏に再度の渡航を予定しており、今回はシミュレーションの方針の確認及び基礎的・単純な状況でのシミュレーション研究を実施した。具体的には、ライフコース疫学について対象者を長く追跡する途中で曝露と疾患状態が互いに影響しあって推移する場合を想定する。ここでは不可逆な疾患ではなく、アレルギー疾患のように疾患状態が経時的に変動し、連続的なスコアとして経時的に評価される状況を想定する。小児アレルギー性疾患は5歳までには診断がおおよそ確定すると考えられる。本研究で対象とするデータはアレルギーのスコアを生後すぐから定期的に評価しており、また併せてアレルギーに影響すると考える家族歴や生育環境の調査も複数回実施されている。アレルギー疾患については、対象者の生育過程でアレルギー傾向がみられると、保護者の意識に影響を与え、生育環境が変化し。それが児のアレルギー傾向に影響するなどの原因と結果の経時的・相互的な影響が考えられるため、まずは2時点の曝露と2時点のアウトカムに限定し、相互作用にシナリオを設定した数値実験を行うことができた。
3: やや遅れている
コロナ禍で渡航のアレンジに遅延が発生したため。2023年度では予定期間の渡航を終え、当初予定の計画に追いつく見込みである。
2023年度は夏および冬の2回に分けて海外共同研究先に渡航し、上記2022年度の数値実験をより複雑にした状況でのシミュレーション研究を実施する予定である。具体的にはライフコース疫学について対象者を長く追跡する途中で曝露と疾患状態が互いに影響しあって推移する場合を想定する。ここでは不可逆な疾患ではなく、アレルギー疾患のように疾患状態が経時的に変動し、連続的なスコアとして経時的に評価される状況を想定する。申請者が対象としている研究では小児アレルギー性疾患は5歳までには診断がおおよそ確定すると考えられ、またアレルギーのスコアを生後すぐから定期的に評価しており、また併せてアレルギーに影響すると考える家族歴や生育環境の調査も複数回実施されている。アレルギー疾患については、対象者の生育過程でアレルギー傾向がみられると、保護者の意識に影響を与え、生育環境が変化し。それが児のアレルギー傾向に影響するなどの原因と結果の経時的・相互的な影響が考えられるため、2022年度に実施した2時点を曝露とアウトカムの評価が3時点以上の状況に拡張し、相互作用に複数のシナリオを設定した数値実験を行う予定である。
すべて 2022 2021 2020
すべて 雑誌論文 (18件) (うち国際共著 4件、 査読あり 17件、 オープンアクセス 11件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件)
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