研究課題
基盤研究(B)
本研究は,武力紛争下における自然災害の発生が武力紛争の帰結に如何なる影響を及ぼし得るのか,グローバルな武力紛争,自然災害のデータを用いて実証することを目的とする。特に,複数の事例の調査から,災害に直面する武装組織への影響が必ずしも一定ではないことに着目し,どのような組織属性が自然災害という外生的なショックに対する頑強性の違いを生むのかを説明しようと試みる。2022年度実績報告書で報告している通り,本研究では,全世界を対象としたミクロレベルのデータの検証は困難となった。そのため十以上の反政府武装組織を国内に抱え,また自然災害が頻繁に発生する地域でもあるミャンマーを事例として分析を行う方向に転換した。さらに,2022年度は災害に直面する武装組織が一様に影響を受けているわけではない点に着目し,組織属性と災害の影響の再分析を試みていた。特に,災害規模が甚大な場合には,武装組織も深刻なダメージを受けており,武装闘争の停滞,また和平交渉を通じた紛争の終結,あるいは停戦を試みる事例もあり,災害が及ぼす影響は規模に応じて変化すると考え分析を行った。上記分析については,現在国際誌にて査読中となっている。本論文のほか,当初の目的であったミャンマーを事例とした分析については十分に進展していない。研究代表者にライフイベントが発生し,本研究に十分な研究時間を確保できなかった点が原因である。本研究課題はコロナ禍での期間延長を行っており再延長はできず,研究期間自体は2023年度で終了となる。またそれに応じて,未使用となった研究費については機関へ返却する。研究期間自体は終了するが,本研究課題を通じて蓄積した分析をもとに今後も研究を継続し,研究が公開された場合には本機関の助成があった点を適切に記載する。
すべて 2021 2019 その他
すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 3件)
International Studies Quarterly
巻: Online First 号: 2 ページ: 1-12
10.1093/isq/sqab014