研究課題
基盤研究(C)
体内時計は、体内環境を外界の昼夜の変化に対し最適化する恒常性維持機構である。この破綻は、睡眠障害や代謝異常といった様々な疾病を引き起こすことが知られている。体内時計の形成には生物の細胞に内在する細胞時計が光により同じ時刻に同調(光同調)することが必須の過程である。本研究は、ヒトの共通の体内時計を持つゼブラフィッシュを用いた遺伝子改変個体の作出と解析から、細胞時計の光同調を制御する分子を複数、見出した。また、これらの細胞時計の光同調分子が、1)個体内の個々の細胞時計を同調させ体内時計を形成させること、および2)エネルギー代謝を通じて行動量を制御することを明らかにした。
現代産業社会の構造は、ヒトが本来自然サイクルに同調していた生活を、社会構造に合わせた生活時間に順応せざるを得ない状況を作り上げている。そのために生じるシフトワークや夜食の常習化といった生活習慣の乱れが、体内時計を破綻させ、睡眠障害、代謝異常、または高血圧症といった様々な疾患を引き起こすことが明らかになっている。このような背景より、体内時計の重要な制御過程である細胞時計の同調の新規メカニズムを明らかにした本研究成果には、体内時計の異常と関連する様々な疾患の予防法ならびに治療戦略の構築のための有益な知見の提供が期待できる。
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すべて 雑誌論文 (13件) (うち国際共著 3件、 査読あり 12件、 オープンアクセス 8件) 学会発表 (7件) (うち国際学会 1件、 招待講演 7件) 備考 (5件)
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