研究課題/領域番号 |
18KT0076
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 特設分野 |
研究分野 |
オラリティと社会
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研究機関 | 早稲田大学 (2020) 鹿児島純心女子大学 (2019) 東京大学 (2018) |
研究代表者 |
野村 亮太 早稲田大学, 人間科学学術院, 准教授 (70546415)
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研究期間 (年度) |
2018-07-18 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2018年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 感情 / 同期 / 瞬目 / 非線形時系列解析 / リカレンスプロット / 集合行動 / 劇場 / ライブ・パフォーマンス / 観客間相互作用 / 共通入力 / 笑い / 話者の印象評定尺度 / シミュレーション / 劇場コミュニケーション / 笑い声 / 落語 / 瞬目同期 / 数理モデル / 身体動揺 / 時系列解析 |
研究成果の概要 |
本研究の目的は、劇場で行われるコミュニケーションを数理的な観点から統合的に理解することである。そのために、劇場をヒトの集合行動の場として捉え、コミュニケーションが時間発展する際のメカニズムについて検討を行った。そのためにまず、観客の瞬目開始時刻点過程の時系列データから、表現の訴求力を再構成する数理的な手法を開発した。また、異なるバックグラウンドを有する観客に高い時間的精度で感情反応を引き起こすという集団-交差信頼性の概念を提唱し、これにより熟達の程度を定量することで、個人内・個人間の比較が可能であることを示した。得点化や序列化による客観的指標が得られない表現領域において有用である。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
従来、表現領域においては、人文学の観点から表現の特徴を記述する研究や歴史的変遷を調査する研究が行われてきた。それに対して本研究は、数理的な観点から表現が有する「観客の感情を駆動する力」(=表現の訴求力)を定量化した。これにより、演者の熟達の程度は、表現それ自体の特徴としてではなく、その表現がどの程度観客の感情を引き起こすことができるのかという観点から定義できるようになった。これは、共通入力としての表現とそれを同時に受け取る観客の反応という数秒から数十秒で生じる劇場コミュニケーションに即した指標である。熟達化支援ができるばかりではなく、「ダイジェスト映像の作成」など、工学的な応用も可能である。
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