研究課題/領域番号 |
19014004
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
太田 幸則 千葉大学, 大学院・理学研究科, 教授 (70168954)
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研究期間 (年度) |
2007 – 2008
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研究課題ステータス |
完了 (2008年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2008年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2007年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 物性理論 / 超伝導 / ダイヤモンド / 半導体 / ナノチューブ / 乱れの効果 / アンダーソン局在 / 電子相関 |
研究概要 |
ボロンがドープされたダイヤモンドの超伝導の発見を契機として、キャリアドープされた半導体の超伝導が注目を集めている。本研究の目的は、(1) 高温超伝導物質開発への提言、(2) エキゾチックな超伝導物質設計への提言、(3) 乱れの効果が導く新しい物理概念の創出、という観点から、この分野の研究の推進に貢献することである。対象物質として半導体ナノチューブを含む。ドープされた半導体という新しい超伝導物質を扱う独創性を持ち、物質設計指針の構築という意義を有する。同時に、乱れの効果が導くクーパー対の散乱・局在機構という新概念の創出を目標とする。 今年度は、先年度に引き続き、ボロン・ナイトライドのナノチューブにフッ素をドープした系を対象に、引力型ハバード模型における不純物効果を、密度行列繰り込み群(DMRG, Density-matrix renormalization group method)という数値的手法を用いて計算し、局在と超伝導の競合関係を明らかにする研究を進めた。DMRGを用いて、コヒーレンス長(クーパー対のサイズ)と局在長(ドゥルーデ重みのシステムサイズ依存性)を計算する手法を開発し、乱れによるクーパーペアの散乱・局在メカニズムの解明を進めた。絶縁体-超伝導体転移の近傍におけるキャリアの局在というこれまで解析的には極めて困難であった問題に、ある程度の見通しをつけることに成功した。 また、計算方法の更なる改善のため、自己エネルギー汎関数理論に基づく変分クラスター近似の手法を導入する方向の研究の展開を行った。これにより、乱れの効果を体系の次元性によらず明らかにできる可能性がある。
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