研究課題/領域番号 |
19014011
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
椋田 秀和 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 准教授 (90323633)
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研究分担者 |
伊豫 彰 産業技術総合研究所, エレクトロニクス研究部門, 超伝導材料グループ長 (50356523)
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研究期間 (年度) |
2007 – 2008
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研究課題ステータス |
完了 (2008年度)
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配分額 *注記 |
6,700千円 (直接経費: 6,700千円)
2008年度: 3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2007年度: 3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
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キーワード | 銅酸化物 / 超伝導 / 反強磁性 / 相図 / 多層構造 / 高温超伝導 / 多層型構造 |
研究概要 |
Hg系五層型超伝導体HgBa_2Ca_4Cu_5O_yなど多層型超伝導体では、電荷供給層からの乱れをCuO2面が受けにくく、層間でキャリア数に勾配ができる。そのため、平坦性に優れた均一ドープされた低ドープのCuO_2面が実現することがわかってきた。そこで、Hg-1245(組成式 : HgBa_2Ca_4Cu_5O_y)を中心に五層型銅酸化物で、反強磁性と超伝導特性を調べてきた。新しく合成した試料では、110Kで超伝導を示す高温超伝導物質であるが、低温においてホールの少ない内部の層において、55K以下で静的な反強磁性秩序を示していることがわかった。ホールキャリヤ濃度の異なる試料で、その系統的な実験から電子相図を確定し、平坦性の非常に優れたCuO2面の示す物性を多層型超伝導体から明らかにした。そこでは、これまで信じられてきた高温超伝導の相図と異なり、17%のキャリア濃度まで反強磁性金属が安定し、さらに、その状態は、超伝導と共存するという結果を得た。同じ多層型構造をもち、頂点をフッ素に置き換えた4層型の系でも、15.5%のキャリア濃度までさらに磁性と超伝導が共存していることが分かってきた。これらは、低ドープのCuO_2面に普遍的な性質であること、さらに、反強磁性の臨界点が層間結合の強さによって変わることを示した。以上の結果は、高温超伝導の謎の解明に向けて大きな手がかりになると思われる。この内容の一部はJournal of Physical Society of Japanなどで2008-2009年にかけて公表された。
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