研究課題/領域番号 |
19014012
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
宮坂 茂樹 大阪大学, 大学院・理学研究科, 准教授 (70345106)
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研究分担者 |
田島 節子 大阪大学, 大学院・理学研究科, 教授 (70188241)
増井 孝彦 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助教 (10403099)
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研究期間 (年度) |
2007 – 2008
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研究課題ステータス |
完了 (2008年度)
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配分額 *注記 |
5,700千円 (直接経費: 5,700千円)
2008年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
2007年度: 2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
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キーワード | 低次元遷移金属化合物 / オキシニクタイド鉄系 / 超伝導 / 電子相関 / 小数キャリア系 / マルチバンド系 / 量子臨界点 / オキソプニクタイト / 電子間相互作用 / F置換効果 |
研究概要 |
本研究では、"低次元遷移金属化合物"、"量子臨界点近傍の新規異常物性"をキーワードとして、1次元、2次元遷移金属酸化物と化合物を対象に、化学的な見地から新規物質探索や元素置換効果による電子相制御を行い、量子臨界点近傍の新奇な現象を開拓することを目的としていた。初年度に引き続き2次元オキシニクタイト鉄系超伝導体の研究を継続して行ってきた。LaFePO_<1-x>F_xの多結晶資料を用いた輸送現象、比熱などの研究の結果、以下のことが明らかとなった。電気抵抗率の低温の温度依存性は、温度の2乗に比例しており、本系でも電子相関の効果が物性に影響を与えていることが判明したが、一方で常伝導状態下での電子比熱係数は約10mJ/molK^2とそれほど大きな値は示さず、その効果はモット転移系などと比較すると比較的小さいものであることが判明した。室温付近のホール係数はほとんど温度に依存せず、その値からはFe-サイトあたり、電子が0.1個供給されていることを意味し、本系は少数キャリア系であることを示唆している。また、磁場中での電気抵抗率の測定からは、2次元超伝導体特有の超伝導転移のブロードニングが観測され、また臨界磁場Hc2の温度依存性からは、本系がマルチバンド系であることを示唆する結果が得られている。本系の類似系であるLaFeAsO_<1-x>F_xの多結晶試料や(BaK)Fe_2As_2単結晶に関しても、育成に成功しており、今後の研究を通して、P系、As系の超伝導転移温度や超伝導発現メカニズムの違いに関する研究を継続して行う。
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