研究課題/領域番号 |
19016006
|
研究種目 |
特定領域研究
|
配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
森田 剛 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 准教授 (60344735)
|
研究期間 (年度) |
2007 – 2008
|
研究課題ステータス |
完了 (2008年度)
|
配分額 *注記 |
8,100千円 (直接経費: 8,100千円)
2008年度: 4,200千円 (直接経費: 4,200千円)
2007年度: 3,900千円 (直接経費: 3,900千円)
|
キーワード | 形状記憶圧電アクチュエータ / 強誘電体 / 電界インプリント / パルス駆動 / 誘電体メモリ / 屈折率メモリ / 透過率メモリ / 水熱合成法 / 誘電率メモリ |
研究概要 |
圧電材料は、駆動電圧にほぼ比例して圧電変位を発生する。従って、入力電圧をゼロにすると、変位もゼロに戻る。これに対して、本研究は、電界インプリント制御により、電界-圧電特性に非対称性をもたらし、パルス駆動によって形状記憶させることを提案している。昨年度までに、その原理確認と、薄膜化による小型化を検証した。さらに、透明な強誘電体を用いることにより、光学特性(屈折率と透過率)におけるメモリ創成を明らかにした。本年度は、この各種メモリ特性の保持特性について検証を行うとともに、新しい駆動原理によって、保持特性の大幅な改善を実証した。 昨年度までの駆動原理では、高温の環境に置いて高電圧を長時間加える、電界インプリント制御と名付けた処理によってメモリ特性を実現していた。しかし、この方法によりメモリ特性は、繰り返しパルス駆動により、メモリ量が減少してしまうことが明らかになった。たとえば、0.2mm厚のゾフト系PZTの場合では、10000回のパルス反転駆動で形状記憶量が2割程度減少してしまう。これは、電界インプリントが、連続駆動によって消失していくことが原因である。 そこで、この問題点を解決するために、非対称パルス駆動による形状記憶圧電アクチュエータという新しい駆動方法を提案した。この方法は、分極反転する程度のパルス電圧を加えることで結晶ドメイン構造を制御すると、完全反転させたときとの形状が異なることを利用したものである。本原理を応用することにより、形状記憶量は昨年度とほぼ同じであるにもかかわらず、10000回駆動した後にも全く形状記憶量が減少しないことを確認することができた。
|