研究課題/領域番号 |
19017014
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
松本 広重 九州大学, 稲盛フロンティア研究センター, 教授 (70283413)
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研究期間 (年度) |
2007 – 2008
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研究課題ステータス |
完了 (2008年度)
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配分額 *注記 |
12,600千円 (直接経費: 12,600千円)
2008年度: 6,300千円 (直接経費: 6,300千円)
2007年度: 6,300千円 (直接経費: 6,300千円)
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キーワード | ナノイオニクス / ヘテロ界面 / ストロンチウムセレート / ストロンチウムジルコネート / 白金固溶 / 空間電荷 / へテロ界面 / プロトン導電体 / 整流性 / ショットキー障壁 / 非化学量論 / 空乏層 |
研究概要 |
欠陥型のプロトン伝導性酸化物中では、プロトンは電子的欠陥と平衡関係にあり、ヘテロ界面における空間電荷の影響を受けることが予想される。このような考えのもとに、われわれはプロトン伝導性酸化物に白金ナノ粒子を分散したときの挙動について調べてきた。昨年度に行き当たったペロブスカイト型酸化物相への白金の固溶現象および、水素還元による白金ナノ粒子の析出現象を用い、本年度はSrZrO3系およびSrCeO3系の二種類のプロトン伝導体を対象として白金ナノ粒子の分散効果について検討した。 SrZr0.9Y0.1O3-α/Pt系については、可逆なナノイオニクス現象が起きており、青いサンプルにおいては白金が固溶してZrサイトにカチオンとして存在し、水素にさらすことによって析出した白金が導電率を低下させることを実験的に示した。 SrCe0.9Y0.1O3-α/Pt系については、白金ナノ粒子の分散により導電率が増加することが明らかとなった。 以上より、Ptとの界面でSrZr0.9Y0.103-αは負に帯電した空間電荷層を形成していることが示されており、これが導電率の低下の原因であると考えられる。一方、SrCe0.9Y0.103-α系では、水素中で白金との界面においてSrCe0.9Y0.103-αが正の空間電荷を持っていると考えることができ、白金との界面においてプロトン濃度が増大している可能性が考えられる。 ナノイオニクスの概念の一つであるヘテロ界面の空間電荷により、プロトンの欠陥平衡や導電率が影響を受ける、あるいは制御可能であることを本研究により示すことができたと考えられる。
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