研究課題/領域番号 |
19020011
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
藤澤 清史 筑波大学, 大学院・数理物質科学研究科, 准教授 (10251670)
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研究期間 (年度) |
2007 – 2008
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研究課題ステータス |
完了 (2008年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2008年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2007年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | マンガン / 重合触媒 / 遷移金属錯体 / 反応解析 / チタン / 電子構造 / エチレン重合 / 配位子 |
研究概要 |
効率的な炭素-炭素結合の生成を伴う高分子材料を高収率で得ることは、省資源・省エネルギーの観点からも非常に重要な研究課題である。我々は、金属として周期律表の中央に位置し特許や論文などでほとんど報告されていない、Mn(II)イオンに注目した。かさ高いt-ブチル基を導入したヒドロトリス(ピラゾリル)ボレート配位子を用いてマンガン(II)クロロ錯体を用いると、分子量分布が狭く、メタロセン型とは異なる重合触媒活性を示す錯体触媒が得られた。さらに、対応する無電荷の配位子を用いたマンガン(II)クロロ錯体では分子量分布が広くなったが高分子量化が見られた。本研究では、この重合触媒反応の更なる重合性能向上と反応機構の確立を目指して研究を行った。 1. フェニル基を導入した配位子を用いて新規マンガン(II)錯体の合成・構造決定を行った。溶液状態では弱く配位したアセトニトリルが外れることを考えると、この錯体の方がマンガン(II)イオンまわりの混み合いが少ないことが予想された。そこで、エチレン重合活性を検討した。重量平均分子量は、今までの我々のマンガン(II)錯体触媒の中では一番高くなったが、その反面分子量分布が広くなり、重合時の構造制御がフェニル基では不十分であった。さらにかさの高いアダマンチル基を導入すると、重合反応が進行しなかった。このように、配位子のかさ高さが重合活性に非常に鋭敏に影響を与えることが判明した。 2. 配位子と助触媒のみの反応では、ほとんど重合活性が見られなかった。すなわち、マンガン(II)イオンが非常に触媒活性には重要であることがわかった。また、代表的な有機金属配位子である、Cpを用いた反応では、重合活性は観測されなかった。このことから、ピラゾリルボレート配位子とマンガン(II)イオンの組み合わせが重要であることがわかった。 3. 反応機構を明らかにするために、ESI-MSやESR、X線吸収による検討を行った。その結果、ESI-MSによる検討がある程度、反応中間体の構造を観測できる可能性を示せた。 以上のように、本研究に関する多くの成果を得ることができた。
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