研究課題/領域番号 |
19020031
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
大江 浩一 京都大学, 工学研究科, 教授 (90213636)
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研究期間 (年度) |
2007 – 2008
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研究課題ステータス |
完了 (2008年度)
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配分額 *注記 |
4,600千円 (直接経費: 4,600千円)
2008年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
2007年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
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キーワード | メタロトロピー / カルベン錯体 / オリゴイン / 共役分子 / 異性化反応 / アルキン / 環化異性化反応 / ビスフリルアセチレン / ビスフリルジイン |
研究概要 |
アルキニルカルベン中間体をプロパルギルエステルから発生させる方法を用いて、オリゴインの異性化反応を検討し、異性化反応がアルキニルカルベン中間体のメタロトロピーによって進行することを明らかにした。また、メタロトロピーによって発生する中間体を種々の捕捉剤、例えばアルケン類により捕捉しシクロプロパン誘導体が得られることを明らかにした。また、メタロトロピーをビス(アシルアルケニル)ジインに応用し、ビフリルアセチレンが得られることも明らかにした。さらに、ビス(アロイルアルケニル)アルキンからは、通常の方法では得ることの難しい共役の伸張したビフランが得られることを見出し、それらの光物性について詳細に検討した結果、ビフランが強い発光性と高い量子収率を示すことを明らかにした。また、それぞれの分子軌道のエネルギー順位を分子軌道計算により求め、これらの光物性を理論的に解明した。(アロイルアルケニル)アルキンからのカルベン錯体の発生を伴うホスフィンへのカルベン移動反応を利用したWittig型反応を用いて、種々のフラン含有π共役分子の触媒的合成を検討した。トリフェニルホスフィンの存在下、2つのカルベン発生部位でチオフェンをはさんだ化合物とベンズアルデヒドとのロジウム触媒(2.5mol%)による縮合反応によりビスベンジリデンフリルチオフェン(R-FTF-R)が53%の収率で生成した。次に、非対称な分子を合成するためにアセチレン末端のケイ素保護基の異なるビスカルボニル-エン-インを用いて縮合反応を試みたところ非対称R-FTF-R'を得た。それぞれのR-FTF-R'は、FTFに比べて最大吸収波長が長波長側ヘシフトしており、ベンジリデン基による共役の伸張効果が現れている。また、ドナーアクセプター型R-FTF-R'では140nmに及ぶ大きなストークスシフトが観測された。また、R-FTF-R'の吸収・発光波長ともにターチオフェンより長波長シフトした。一連のR-FTF-R'の理論計算により、R-FTF-R'の分子軌道を明らかにした。
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