研究課題/領域番号 |
19020052
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
新藤 充 九州大学, 先導物質化学研究所, 准教授 (40226345)
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研究期間 (年度) |
2007 – 2008
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研究課題ステータス |
完了 (2008年度)
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配分額 *注記 |
4,600千円 (直接経費: 4,600千円)
2008年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
2007年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
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キーワード | イノラート / 複素環 / マイクロリアクター / プロセス化学 / ピロール / フラン / チオフェン / ワンポット合成 / 有機合成 |
研究概要 |
我々が開発したイノラートの生成法は-78度冷却下、ジブロモエステルにブチルリチウムを加えるという簡便な方法であり、これを利用して昨年度までに多置換ピロール等の複素環のワンポット合成を達成した。しかし、プロセス化学に応用する際には短時間とは言え、この低温冷却が問題となる。そこで、マイクロリアクターを活用したイノラートの生成と複素環合成を検討した。マイクロリアクターの流路径が数百μmではリチウム塩が析出し、フローを妨げたので、内径1000μmのステンレスチューブとHPLCで用いられる安価なマイクロミキサーを利用してマイクロリアクターを製作し、イノラートの生成を試みた。その結果、ブチルリチウムとジブロモエステルのTHF溶液を1分間に1.0mLの流速でミキシングすることで、冷却することなく室温で効率よくイノラートが生成することを見出した。さらに、反応時間を確保するため一旦フローを止めチューブ内で反応を進行させた後、再度フローするストップドフロー法を開発し、極端に長いチューブを用いることなく比較的長い反応時間の反応もマイクロリアクターで行うことができるようになった。この方法を用いて多置換ピロールの室温ワンポット合成に成功した。収率はバッチ系に匹敵するほど高く、連続的にフローすることで大量合成にも適用可能である。また、チューブ内での閉鎖空間における反応であるのでアルゴンガスのような不活性気体雰囲気下である必要もない。このようにバッチ系では容易でなかった、ブチルリチウムを用いた無水低温冷却反応のプロセス化学への適用が、マイクロリアクターで実現可能であることを示した。
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