研究課題/領域番号 |
19022014
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
永野 修作 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 助教 (40362264)
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研究期間 (年度) |
2007 – 2008
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研究課題ステータス |
完了 (2008年度)
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配分額 *注記 |
2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
2008年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2007年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | ナノ構造構築 / 単分子膜 / 共役高分子 / ポリチオフェン / 階層構造 / LB膜 / 交互積層 |
研究概要 |
単分子膜形成が困難である疎水性共役高分子、立体規則性および非規則性のポリ(3-ヘキシルチオフェン)[HT-P3HTおよびP3HT]、立体規則性ポリ(3-ドデシルチオフェン)[HT-P3DT]やポリ(ジオクチルフルオレン)[PFO]に、我々が提案する液晶混合展開法を展開し、広がった単分子膜およびその多層積層膜の調製を試みた。これらの疎水性共役高分子は、液晶分子4'-ペンチル-4-シアノビフェニル(5CB)と水面上に共展開することで、主鎖が水面に二次元的に広がった理想的な単分子膜となることを明らかにした。水面に形成される単分子膜を水平付着法により固体基板に転写し、5CBを揮発除去することにより多層累積膜を構築した。また、その際、比較的高い表面圧にて転写を行うと、これら疎水性共役高分子が、基板面内に一軸配向した構造が得られることが、斜入射X線回折や吸収スペクトルによって明らかとなった。よって、これらの結果から、本手法が、立体規則性や置換基のアルキル鎖の鎖長に依らず、多くの疎水性共役高分子に対して、配列や配向を制御できる有用な分子組織化手法であることを示した。 さらに、PFO単分子膜では、水面上にて圧縮することにより、主鎖の配向とともにβ相の発現が吸収スペクトルや蛍光スペクトルにより認められた。また、斜入射X線解析や偏光発光特性によっても、主鎖配向が誘起されたβ相の構造が明らかとなった。β相は、発光輝度が高いPFOの優れた電子状態であるとされ、本手法がその新たなその発現方法として提案できることがわかった。 現在、PFOおよびHT-P3HT主鎖配向多層累積膜の電界効果トランジスタ特性を評価したところ、基板面内に異方性のある移動度が観察され、現在その解析を領域内の共同研究者と進めている。
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