研究課題/領域番号 |
19022016
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 京都工芸繊維大学 |
研究代表者 |
増尾 貞弘 京都工芸繊維大学, 工芸科学研究科, 助教 (80379073)
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研究分担者 |
板谷 明 京都工芸繊維大学, 工芸科学研究科, 教授 (80035071)
町田 真二郎 京都工芸繊維大学, 工芸科学研究科, 准教授 (20262032)
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研究期間 (年度) |
2007 – 2008
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研究課題ステータス |
完了 (2008年度)
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配分額 *注記 |
2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
2008年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2007年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | 1分子計測(SMD) / ナノ材料 / 共役ポリマー / 単一光子 / アンチバンチング / MEH-PPV / MEH - PPV / ナノ結晶 / 単一分子 / 再沈法 |
研究概要 |
主に共役ポリマーとして、分子量の異なる3種類のpoly[2-methoxy-5-(2'-ethylhexyloxy)-p-phenylenevinylene](MEH-PPV)を用い、その単一分子鎖の空間的サイズと単一光子発生挙動の相関について知見を得ることを目的とし研究を遂行した。1. ホストポリマー薄膜中に極低濃度に分散させたMEH-PPVを1分子鎖ずつ測定することにより、分子量が小さくなるにつれ単一光子発生確率が高くなることを見出した。2. 異なるホストポリマーを用いることで、MEH-PPVとの相溶性の関係に基づきMEH-PPV鎖のコンフォメーションを制御した。その結果、同じ分子量であっても、よりコンパクトなコンフォメーションを形成している場合において単一光子発生確率が高くなることを見出した。3. さらにコンパクトなコンフォメーションのMEH-PPV鎖を形成するため、再沈法により1分子鎖からなるナノ粒子を作製した。ナノ粒子にすることにより、単一光子発生確率はさらに高まり、ホストポリマー薄膜中では単一光子発生挙動を示さない分子量であっても、単一光子発生挙動を示すことを見出した。粒径25nm程度のナノ粒子は単一光子発生挙動を示すことがわかった。4. 単一分子鎖の空間的サイズと単一光子発生挙動の相関についてさらに詳細な知見を得るため、単一光子発生挙動を測定する光子相関測定法と蛍光相関測定法(FCS)の同時測定可能なシステムを構築した。このシステムを駆使することにより、溶液中のMEH-PPV鎖について、その流体力学半径と単一光子発生確率を同時測定可能であることを見出した。分子量が異なるMEH-PPVを測定することにより、流体力学半径の減少に伴い単一光子発生確率が高まることを見出した。これらの成果は、複数の発光体から構成される共役ポリマーなどのマルチクロモファ系であっても、サイズを制御することにより単一光子発生源として働かせることが可能であることを示した結果であり、マルチクロモファ系の単一光子発生挙動は、その空間的サイズと強い相関があることを示すことに成功したものである。
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