研究概要 |
昨年度提案した会話参加態度推定手法を基礎とし, 今年度は, その実装, 有効性の評価, 会話エージェントへの組み込みを行った. (1)会話参加態度推定機構の実装 会話エージェントによる商品説明を聞いている時のユーザの注視行動を, 注視対象遷移3-Gramとして表現し, クラスタリングすることにより, 会話に積極的に参加しているか否かを判定する閾値をユーザ毎に設定する機構を構築した. (2)会話参加態度推定機構の有効性の検証 本機構の有効性を検証するためにユーザスタディを行った. その結果, 会話参加態度推定結果に基づいてユーザへの応答を変化させると, 非積極的な会話参加態度の発生頻度が有意に減少した. また, 主観評価では, より「ユーザの態度に気づいている」, 「応答が適切であった」と評価された. (3)会話参加態度推定機構の会話エージェントへの実装 会話参加態度推定機能を有し, 自律的に行動決定を行う会話エージェントを実装するために, 会話の状態管理とその更新機構を実装した。会話の状態はInformation State(IS)と呼ばれる黒板モデルにより管理され, 言語理解部や会話参加態度推定部がそれぞれISを更新する. 以上の研究成果により, 会話参加態度推定機能を有する全自動の会話エージェントが実現した.
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